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2016年9月16日 (金)

青い屋台が涼を呼ぶ~チリンチリンアイス物語

2016年9月12日~9月18日放送
長崎放送 ラジオ局ラジオ制作部 武富茂


【番組概要】
長崎名物「ちりんちりんアイス」は、長崎市内の観光地(眼鏡橋やグラバー園など)やイベント会場で小さな屋台で販売されているアイスです。昭和30年代に屋台を押し、ちりんちりんと鐘を鳴らしながら移動販売を行っていたのがmはじまりで、長崎県内で数十軒あったアイス販売は今では3社まで減ってしまいました。このうちの一つ、昭和35年創業の老舗、前田冷菓は創業当時のままの味を半世紀守り続け、長崎県民のソウルフードとして親から子へ子から孫へ受け継がれています。ちりんちりんアイスの魅力は、さっぱりとした味とシャーベットのような食感と小さなヘラでの独特の盛り付け。ヘラですくわれたアイスがコーンの上で見る見るうちにアイスのバラに早変わり。販売員の赤星力三(あかほし・かつみ)さんはこの道7年。以前は建設会社で働いていましたが、屋台の仕組みに興味を持ったのがキッカケでこの世界に。ちりんちりんアイスの屋台には、懐かしい味を子どもにもと食べさせる地元長崎のお客や長崎観光の思い出にと観光客がやってきます。

 【制作意図】
長崎県にはカステラ、ちゃんぽん、皿うどん、卓袱料理、新鮮な魚介類と食文化が多彩です。これらと比べると一見地味な存在ですが「ちりんちりんアイス」は半世紀以上、変わらぬ味で愛されている長崎の名物スイーツです。その魅力は、変わらない味をヘラを巧みに使って手早くアイスのバラを咲かせる技術。そしてお客さんと交わされる楽しい会話。番組では長崎の観光名所のひとつ、眼鏡橋そばの屋台の雰囲気を通してちりんちりんアイスの魅力をラジオの音の世界で伝えたいと考え取材を始めました。

【制作後記】
眼鏡橋そばの屋台に6月上旬から8月にかけて数回に分けて取材に行きましたが、2時間いるだけで倒れそうな暑さでした。この暑さで一日経ち続けての商売は大変です。「アイス=夏」が一番売れると思っていましたが、暑すぎると人が外を歩かないのでそんなに売れないとのこと。最盛期は過ごしやすい春と秋と聞いて驚きました。因みに気温によって氷に加える塩の量を加減して温度を調整しています。屋台一台で1000個売れることもあるそうで、番組で赤星さんの販売員としてのキャリア7年は若手と紹介しましたが、新人のほとんどが1日もたずに辞めていく厳しい世界です。また中国や韓国などアジアからの観光客が急激に増え、これまで以上に接客のグローバル化も求められています。

 

 

 

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半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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