越前和紙 ~1500年の音色
2016年9月5日~9月11日放送
福井放送 ラジオセンター 佐藤正幸
【番組概要】
福井県越前町にある今立地区五箇は1500年と伝えられる歴史を持つ手漉き和紙「越前和紙」の産地。日本一の規模を誇ります。ところが、2014年、手漉き和紙が世界無形遺産に選ばれた際に「越前」は登録されませんでした。しかし、この出来事は保存会の設立につながっただけではなく、「守り、挑戦する」という、青年たちの熱い思いを後押しすることにもなりました。そのうちのひとり、西野正洋さん(43)をはじめとした地元の人の声、和紙づくりの音、紙漉き唄を聴きながら、時代の波を乗り越えて受け受け継がれ、新しくされてきた「越前和紙」のこれからの音色を聴きます。
【制作意図】
ふるさとの音、と聞かれて「越前和紙を漉く音色」を思い浮かべる機会は数多くありました。しかし、その音色がどのようにして受け継がれ、どこに向かおうとしているのかを知ろうとする機会を十分に作っていませんでした。2年前の「世界遺産の出来事」によって、さまざまな意味で注目を集め、心ひかれていた「越前和紙の里」を訪れ、さまざまな音や声、音色を集めてみたい、と思いました。
【制作後記】
取材を通して、1500年という越前和紙の歴史は「守り、挑戦する」歩みであったことが分かりました。どうやって守るのか、時代のニーズにどう応えるのか、どのように発信するのか。西野さんは「もがく」という言葉を使いました。内向きではなく、外に向かって「もがく」。人との出会いが何かを生み出す。改めて、大切なことを学ぶことができた時間でした。
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