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2016年7月 5日 (火)

思い出を紡ぐ足踏みミシンと思いを繋ぐ修理士

2016年7月11日~7月17日放送
熊本放送 ラジオ制作部付 宮川理佳

【番組概要】
熊本市中央区国府にあるミシンの修理・販売をする店「ミシン一番店」。アンティークにこだわる店では、60年前から100年以上前の足踏みミシンを扱っています。そして今、足踏みミシンの修理を依頼する人は増えており、全国各地から依頼があるのです。どうして今足踏みミシンなのでしょうか?世代を越えて受け継がれるミシンとミシンに寄せる思い出、それを繋ぐ修理士の思いを取材しました。

【制作意図】
電動ミシンが普及する中、古い足踏みミシンの修理の依頼が全国からあるのはどうしてだろう?そんな疑問から店を訪ねてみると、手は油まみれ、額に汗をかきながらミシンと向きあう若い修理士がいました。ミシンに付いた傷ひとつにひとつに歴史がある・・・ミシンに詰まった依頼者の思い出を大切にする修理士の姿をみて、アナログな機械だからこそ繋いでいける思い出があるのだと感じました。足踏みミシンへの思い出は人それぞれですが、修理をしたミシンの軽快な音にそれぞれの「あの頃」を思い出していただけると嬉しいです。

【制作後記】
アンティークにこだわる店では、アンティークのホーンスピーカーでオールディーズやクラシックなど懐かしい曲を流しています。その音楽に誘われて店を訪れた70代の男性が、足踏みミシンを見て目を細めていました。戦後の物のない時代に、母親がミシンで繕い物をする姿を思い出したそうです。「いい物を見せてもらいました」と言い残して店を後にする男性の笑顔が印象的でした。「ミシン一番店」は人々の思い出がよみがえる場所なのかもしれません。

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半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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