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2016年2月25日 (木)

函館ガンガン寺 鐘を継いで祈りを継いで

2016年2月8日~2016年2月14日放送 
北海道放送 ㈱HBCフレックス ラジオ本部 榊原満

【番組概要】
北海道の陸の玄関口・函館には来月に迫った新幹線開業を前に、大勢の観光客がやって来ます。みんなが目指すのは朝市、函館山の夜景、元町散策・・・etc.元町散策の目玉は函館ハリストス正教会、通称「ガンガン寺」です。1859年に創立された函館ハリストス正教会は、日本性協会でも長い歴史を誇る教会として、その伝統を忠実に継承しています。毎週日曜日の朝、礼拝(れいはい)を知らせる鐘の音が港を望む丘に響き、司祭の祈りと、敬虔な信者たちの聖歌が聖堂を包みます。鐘の音を奏でるのは教会の信者で同じ元町に窯を構える陶芸家の高井秀樹(たかいひでき)さんです。去年の春、70年余り音色を守り続けてきた故・中居真行(なかい まさゆき)さんの後を継ぎました。普段何気なく聞いていたガンガン寺の鐘にまつわる伝統と継承の逸話を紹介します。

【制作意図】
今回は地元で「ガンガン寺」として親しまれている教会で、愛称の由来となった鐘を長年鳴らしてきた前任者の遺志を継ぎ、鐘の音を守る高井秀樹さんの姿を、鐘の音とともに伝えます。教会に奉仕しながら、鐘の音の継承にかける思い。日本の音100選に選ばれた鐘の音。ラジオでしか伝えられない「音」中心のドキュメントです。

【制作後記】
いつもは何となく眺めて通り過ぎていた名所ですが、今回は「日本の音100選」に選ばれた有名な鐘をつく方が去年代わったという話を聞きつけて、マイク片手に向かいました。主人公の高井秀樹さんは祖父の代からの信者で、教会の近くで窯を構える陶芸家です。神父さんに見込まれて鐘を打つようになりましが、最初から見よう見まね、練習なしのぶっつけ本番で打つことになります。当初は教会の厳粛な儀式を取材するという心持で構えて訪れましたが、高井さんの陶芸家然とした風貌と、飄々とした語り口に次第に和んでしまいました。とどめは去年の大晦日、教会にとって大事な新年の祈りを捧げる日。高井さん初めての年越しの鐘の事件・・・。その話を聞いてから、ガンガン寺の鐘の音に人の温もりを感じるようになりました。

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半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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