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2013年3月

2013年3月22日 (金)

新潟のギターフロンティア

2013年3月25日~2013年3月31日放送
新潟放送 ラジオセンター 高橋紀子

  新潟初の中古ギター専門店ギターフロンティア。
2年前、新潟市の100円ショップの隣に7坪のお店をオープンさせたのは、ゲイリー鈴木こと、鈴木清幸(きよゆき)さん、51歳。子供のころからギターが大好きで、中古ギターの購入者に無料レッスンをしながら、オリジナルの曲をつくりライブ活動をしています。

勤めていた会社が倒産し、住むところも食べるものにも困ったを助けてくれたのは、ギターとギターを通じて出あった人たち。ギターがあったから生きることができたという彼は、40年前の古くて錆びたギターに自分を重ねます。大手のお店ではできないという手間ひまをかけて、ギターをよみがえらせるのです。

ブログにアップされた、名器と言われたギターたち。ギター好きの人が県内外から集まってきます。転勤で新潟に来た人、やっと趣味を持つ時間が持てた人、プロのギタリスト、コミュニケーション下手な人、そんなギタリストにゲイリー鈴木さんは明るく話しかけ、7坪の小さな地方のお店は、ギターとギタリストたちの駆け込み寺です。

魂にとどく、大地の音色

2013年3月18日~2013年3月24日放送
西日本放送 ラジオセンター 白井美由紀

 
オカリナ奏者で、オカリナ作家の小路陽光さんは土笛(オカリナ)の音色に魅せられ、地元の土を使った「楽器」としてのオカリナを製作。香川県でミクロの金型成形技術を持つ企業、長峰製作所とコラボレーションして、そのオカリナの量産にとりくんでいます。「楽器」としてのオカリナは、他の楽器との「ピッチ」を合わせるため緻密な容積計算をして、正確に調律されています。

とてもシンプルなのに、演奏するにも製作するのも職人技を必要とするオカリナ。演奏者としての技術、陶芸の技術、さらには物理の知識まで不可欠です。

 取材を通して、土を愛し音を愛し、そしてふるさとを愛する小路さんの熱意を感じました。
現在は香川の伝統工芸「漆芸」を取り入れ、漆塗りのオカリナも作られています。

※取材ではオカリナの音色に本当に心いやされました。

つくるつなぐ6tSL101号

2013年3月11日~2013年3月17日放送
ラジオ福島 編成局放送部 山地美紗子
 

 「ポー!」勢いよく煙を吐き出すSL。現在、SLをつくっているのは国内でここだけという。鉄の塊なのに、人格を持っているかのようだ。

年1月末に福島市の協三工業株式会社でSLの完成記念式典が開かれた。現在、国内でSLを造っているのはここだけという。これまでに100台のSLを造ってきた実績がある。とはいえ、約20年ぶりの製造。製造経験のある社員はすでに退社していて、現役の社員の中に経験者はいない。そこで、OBに技術指導を依頼し、技の継承がおこなわれた。

どうしても動かなくて困り果ててOBに相談すると、一言でずばりと原因を言い当てた、なんてことも。その感覚はまさに職人技だ。今回、1年がかりで製造されたSLは「101号」。会社にとっては101代目、現在の社員にとっては1代目の新たな挑戦。

技のつながり、元気な笑顔が広がった。SLがつないだ思いを伝えたい。

雪国で聴くもうひとつの「ペチカ」

2013年3月4日~2013年3月10日放送
福井放送 FBCラジオセンター 酒田智彦

 福井県の中でも雪深い北に位置する坂井市丸岡町では、毎晩夜9時になると街中にチャイムが流れます。北原白秋作詞、今川節作曲の「ペチカ」です。御存知のとおり「ペチカ」は、山田耕筰氏の曲が大変有名ですが、丸岡町に流れる「ペチカ」はもうひとつの「ペチカ」。

 今川節は丸岡町で生まれ、生涯故郷を離れることなく260曲あまりを書き続け、25才の若さでこの世を去った作曲家です。番組では、今川節の研究を続ける平井英治さん(77才)にお話し頂きながら、SPレコードやリードオルガンの音源、そして町の人達の声とともにお送りします。

(こぼれ話)
教会の倉庫にあった戦後のリードオルガンを演奏して頂き、楽しく取材させてもらいました。また多くの町の人達にお話しを聴いたところ、今川節を知らない人もいらっしゃいましたが、時報の「ペチカ」を聴いてもらうと「知っている」と答える人も多くありました。時報の「ペチカ」が町に根付いてると感じられた瞬間でした。

 

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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