伝統を刻む黒い石
2012年6月4日~6月10日放送
東北放送 ラジオ局制作部 坂戸貴之
約600年の歴史があり、伊達政宗も愛用したという雄勝硯。国の伝統工芸品にも指定された逸品です。その硯の産地が石巻市雄勝町。カキやホタテの養殖が盛んな小さな町です。
しかし2011年3月11日、津波は町を壊滅させ、雄勝硯もほとんどが失われました。硯職人の杉山澄夫さんは自宅も硯の道具も全て失い、現在は大崎氏古川で奥様と生活しています。
しかし、家族や古川の方達の助けがあり、杉山さんは硯作りを再開します。息子さんはガレキの中から道具を見つけ、古川の方達は杉山さんを応援しようと展示会を開催。無償で実施に向け東奔西走しました。
多くの方達に支えられた杉山さんは硯作りを続けることを決意します。雄勝硯は震災を乗り越え、更なる歴史を刻み続けます。