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2012年2月20日 (月)

雪国~グラスの中の花咲かじいさん~

山形放送 報道制作局制作部 門田 和弘

雪国というカクテルがあります。日本では漢字で 雪国。海外のカクテルブックには Yukiguni と紹介される世界スタンダードカクテルの一つです。

この雪国を創作したのが山形県酒田市に住む井山計一さん。
背筋をピンと伸ばしスナップをきかせリズミカルにシェーカーを振る姿はとても86才の男性には見えません。
最近はこの雪国の生みの親が今なお健在だと知り、全国のバーテンダーや雪国ファンが本家雪国を求め酒田の地を訪れます。

冬に飲む1杯は「春を待つ喜び」・・・。
夏に飲む1杯は「涼やかな」気分になれます。

井山さんとは15年来のお付き合いをさせて頂いています。
去年暮れ、電話で話をしていた時「いつまで作れるのかなー」と井山さん。その言葉を聞き、久し振りに雪国を飲みたくなりました。
取材に出掛けた日は大荒れ。ホワイトアウト状態の山岳道を通り抜け4時間。着いた酒田は海がゴーゴーうなっていました。その吹雪の酒田の夜に出された雪国の1杯は忘れられません。

三角グラスに沈む「春を待つミントチェリー」
そのグリーンの輝きは本当にきれいです。

酒田の冬~春の情緒を1杯のカクテルの世界に描いた芸術作品「雪国」を、ラジオの音の世界で楽しんで頂ければと思います。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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