120年余りの歴史に幕~木曽川・日原(ひわら)の渡し船
東海ラジオ 制作局制作部 北 敏明
愛知県と岐阜県の県境を流れる木曽川は、長さは日本で8番目、
流域面積としては日本で5番目の一級河川。
この川の両側には、古くから両県を結ぶ交通手段として多くの渡し船があった。
しかし、橋梁の建設により次第に数は減り、今ではわずかに観光目的の渡し船を残すのみとなった。
今年3月30日にまた一つ歴史の火が消えた。
河口からおよそ20キロの位置にある愛西市の日原渡船(ひわらとせん)。ここは江戸時代、名古屋城から高須松平藩(現在の岐阜県海津市)を結ぶ重要なルートの一つであった。
この地域は旧八開村と呼ばれ、蓮根が特産物。
船をつかう蓮根農家の副業として、かつては、村の男の7割はこの渡し船の船頭をしていたという。昨今は12名の船頭が交代で、船外機をつけた船を運航していた。
最後の運航を前に、地元の歴史研究会有志がツアーを企画した。