炭焼きの灯を守って
山口放送 ラジオ制作部 大谷 陽子
緩やかな山に囲まれた盆地が広がる、山口県下関市菊川町。
山裾に、今も一軒だけ、炭焼きを仕事にしている家があります。
炭を焼くのは山岡トキ子さん、83才。たった一人で、炭焼きの窯を守っています。
33才で夫に先立たれてから50年。男性でも厳しいと言われる山の仕事を生業に、女手一つ、3人の子どもを育て、家を守ってきました。
「生涯貫ける仕事を持てたことが誇り」と語るトキ子さん。
炭焼き職人という仕事だけでなく、昭和の時代を生き抜いた女性の強さを「風物詩」として伝えたい…。
その強さを見習いたい思いで取材させていただきました。
そこで待っていたのは…、トキ子さんの炭で焼いてくださった小さなサツマイモにトウモロコシ。サツマイモのねっとりする程の甘さと、炭の温かさ(というより熱い!)、そしてトキ子さんの笑顔に、心ほぐされました。
継続は力なり…コツコツ真面目に生き抜いた先に幸せがあることをトキ子さんはその生き様で教えてくださいます。