藍とともに生きる
東北放送 ラジオ局編成制作部 佐々木 雄祐
緑深い山々に囲まれた、宮城県栗原市栗駒文字地区に平安時代から行われてきた、染織技法「正藍染」(又は「正藍冷染」)を受け継ぐ藍染の工房があります。
その技法を代々受け継いできた千葉家。現在藍染作業の中心になっているのは千葉まつ江さん(77歳)です。まつ江さんは藍の栽培から染めの作業、製品化まで一貫して行っています。
藍で生地を染めるためには藍を発酵させる必要があります。人工的に発酵させるのが一般的ですが、千葉家では熱を使わず、夏の気温変化のみによって発酵させています。
そのため染めの作業が出来るのは、6月から7月の40日だけです。気温や湿度によっても染まり具合が左右される正藍染、まつ江さんは一枚一枚「いい藍色が出るように」と祈りながら染めあげます。
その想いを映し出し、生地はやさしい藍色に染まります。今年の染めの作業は7月15日で終了しましたが、まつ江さんはこれからも藍とともに生き続けます。