奇跡のサルが「クウ」と鳴くとき
青森放送 ラジオ編成制作部 小杉 陽彦
兵庫県出身の動物写真家・松岡史朗さん(51才)が、「世界最北限のサル」の生息地、青森県下北半島の脇野沢に移り住んで20年。
北緯41度、冬には氷点下20度前後まで下がる気温の中でも生き抜き、「奇跡のサル」と呼ばれる野性ニホンザルの暮らしを正しく伝えようと、松岡さんは毎日山へ入りサルと一日を共に過ごすフィールドワークを続けています。
「サルの鳴き声は?」と聞かれたら多くの人は、動物園のサルを思い出し、「キーキー」「キャーキャー」とヒステリックな鳴き声をイメージするはずです。
しかし松岡さんは、野生ニホンザルが泊り場で鳴き交わす「クウ」という優しい鳴き声が本来の鳴き声だと言い、その場所へ案内してくれました。
晩秋から初冬、そして冬本番と片道150キロ離れた脇野沢へ3度出張させてもらい、サルと3日間すごした取材です。