山上の小宇宙に響く声明
和歌山放送 制作センター 中村 和哉
真言密教の聖地 高野山は平成16年6月の世界遺産登録に向け、様々な取り組みが行われています。
その一つとして9月13日、「2003祈りの徑・山上の小宇宙~いにしえの薫りと千年の祈りに出逢う」が高野山壇上伽藍 根本大塔前などで開催されました。
プログラムは高野文化を紹介する「高野山学」と声明を中心とする「高野楽」で構成され、「高野楽」ではオーケストラとシンセサイザーとのコラボレ-ションにより創られた声明のコンサートが企画されました。
声明は日本音楽の基礎であり、謡曲や民謡に大きな影響を及ぼしたと言われていますが、人の心を癒す音楽として、最近特に注目度が高く、高野山声明の会が行うコンサートにも多くの人が足を運んでいます。
本来仏教音楽である声明は、一般の人々の耳に触れる機会は多くありませんでしたが、高野山の人々によりイベントでの演奏も行われるようになりました。
日本人の心の響きともいえる声明で、やすらぎを感じていただければと思います。