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2025年11月10日 (月)

ふるさとの熱~高浜七年祭~

2025年10月27日~2025年11月2日
福井放送 報道制作局制作部 今川俊

【番組概要】
福井県の最西端に位置する高浜町。人口1万人ほどの小さな町です。この町で、数えで7年に一度行われるのが「高浜七年祭」。神輿の巡幸を中心に、太鼓・太刀振・曳山芸能・神楽・お田植・俄などの各種芸能が、連日連夜7日間に渡って繰り広げられます。小原一輝(こはらかずき)さん(32)。地元・高浜町出身で、現在は高浜町役場に勤めています。妻と子ども1人の3人暮らし。今年初めて「高浜七年祭」で太鼓を披露します。小原さんが所属するのは、東山地区の「東部若連中」。太鼓を打つとき、右手を真っすぐ上に突き上げるダイナミックな動きが特徴です。16歳から41歳までの男衆21人が、5か月間もの間、毎日2時間汗を流して練習し、本番を迎えます。高浜の人を強くつなぐ「魂の音」。この作品は、伝統の祭りに挑む小原さんと、町の熱気を描いた物語です。

【制作意図】
「高浜七年祭」は、活気があふれる町を挙げての祭りです。生まれたばかりの子どもから、お年寄りまで、町中の人が集まります。この「熱」を伝えたい、と思ったのが制作のきっかけです。リサーチをしていくうち、印象的な音に出合います。昼夜問わず、どこからともなく町に響く重低音。祭りに向けて練習を重ねる太鼓の音でした。まさに数えで7年に一度の「風物誌」。この音色を聴くと、祭りが近いのだと実感する町民も多いと聞きます。また、令和の人口減少時代、年々祭りに携わる人は減っていく一方。それでも、新たに祭りを盛り上げたいと挑戦する小原一輝さんに惹かれたことも、大きな原動力となりました。
 この音をラジオから届けることで、全国のみなさんに高浜七年祭の魅力を伝えたい、というのが制作意図です。

【制作後記】
私自身、「高浜七年祭」のことは知っていましたが、現場に足を運ぶのは今回が初めてでした。そこで感じたのは、とにかくみなさんの「熱」があるということです。老若男女、世代を問わずこれだけの人が集まる祭りは、いまだかつて見たことがない情熱にあふれた風景でした。この思いが「音」として伝わるように。編集のときには、特にこだわって作業を進めました。今後も「高浜七年祭」が末永く続いていくことを願って――。高浜町に思いをはせながら聴いていただけますと幸いです。

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半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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