100年の夏を照らす、島田の火花
2025年9月1日~2025年9月7日
静岡放送 ラジオ局オーディオコンテンツセンター 寺田亮介
【番組概要】
夏の風物詩といえば「花火」。
最近はできる場所が限られることを背景に、子供たちが手持ち花火で遊ぶ光景を目にすることも少なくなりました。また手持ち花火市場も他産業と同様、外国産の安価な輸入品で溢れており、国内の手持ち花火会社は数えるほどしかありません。そんな現状の中、静岡県島田市には日本伝統の手持ち花火文化を絶やすことなく、時代と向き合っている会社があります。「井上玩具煙火株式会社」。100年近く手持ち花火を作り続けている会社です。
かの徳川家康が静岡の駿府城にて、日本で初めて花火を観覧したとされ、静岡で花火の制作を始めた...そんな歴史を背景に積み重なってきた伝統文化を守りつつ、手持ち花火を令和の時代にアップデートさせていく、そんなチャレンジを続ける井上玩具煙火株式会社4代目、井上慶彦さんにお話をお聞きしました。井上さんが作る手持ち花火の「凄さ」、聴いて、感じてください。
【制作意図】
「最近手持ち花火してないな、子供の頃は夏よくやったのにな」とふと思い、花火について調べたのがこのテーマにしようと思った最初のきっかけでした。
私自身、静岡が花火とゆかりの深い場所であることすら知らず、ましてや手持ち花火を作っている会社が静岡県島田市にあることも知りませんでした。
今回井上さんに取材して、日本伝統の手持ち花火という夏の風物詩が苦境に立たされている現状と、井上さんが伝統を背負いつつ、モダナイズさせようとチャレンジするその熱量に感銘を受けたと同時に、童心に戻ったように、井上さんの作る手持ち花火に驚き、楽しめた、そんな気持ちを音に記録できたらと思い、制作に取り組みました。
【制作後記】
手持ち花火の歴史、伝統、現状を知るほど、厳しさを理解したと同時に、それらに負けることなく、伝統を守りつつ、革新的要素を入れ込んでいくプロフェッショナルな現場に感動を覚えました。
この現場の熱量をどうにか音で伝えれたらと身が引き締まる思いになったと同時に、子供たちが花火で遊ぶ姿を取材して、「やっぱ夏は花火だな!楽しいな!」と幼少期の夏に戻った気分で楽しんで制作できました。とはいえ井上さんたちの作る手持ち花火一つ一つに光る技術力やこだわりを音で表現することには難しさを感じました。花火は目で見て楽しむものなので…。
ただ井上さんの花火をした時の驚きはぜひお聞きの皆様に共有したいと思って制作しましたし、実際に驚くと思います。
井上さんの花火ってすごい!、やってみたいと思っていただけたら幸いです。
コメント