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2025年6月27日 (金)

からくり時計が響く福岡、新天町商店街〜メルヘンチャイムのものがたり〜

2025年6月30日~2025年7月6日
RKB毎日放送 オーディオコンテンツセンター 大場 敬一郎

【番組概要】
福岡・天神の新天町商店街に、1981年に設置された「メルヘンチャイム」。日本初の大型からくり時計として誕生したこのチャイムは、商店街の時報として、また街の人々の記憶として、長年親しまれてきました。今回は、設置に携わった関係者の証言や、街ゆく人々の声を通して、メルヘンチャイムがこの街にもたらした“音の風景”と、その背景にある時代の流れを特集しました。そしていま、天神ビッグバンによる再開発の中で、このチャイムの行方にも変化が訪れようとしています。

【制作意図】
天神の街を歩いて耳に届く、あのやさしいチャイムの音。
それが「メルヘンチャイム」であると認識している人は、意外と少ないかもしれません。でも、その音は確かに、街の時間を刻み、人々の心に残ってきました。「時間を合わせて聞いていた」「あれを見るのが楽しみだった」という声にこそ、このチャイムが街の文化として生き続けてている証があると感じました。一方で、天神の再開発が進む中で、このチャイムの存続は決して当たり前ではなくなっています。だからこそ、今あらためて、“音の風景”としてのメルヘンチャイムをラジオ番組で記録することに意義があると考えました。
誰かの思い出の中に残るあの音を、未来にも手渡せるように。この番組が、そのきっかけのひとつになればと願いながら制作しました。

【制作後記】
メルヘンチャイムが「日本初の大型からくり時計」だということを知ったとき、私は驚きました。
商店街の一角にある、あの時計塔が、そんなに大きな意味を持っていたとは。設置に関わった方からは、「当時は商店街に何か大きな目玉が欲しい」という言葉があり、人の心に届く“音の演出”を仕掛けていたことがわかりました。街頭インタビューでは、チャイムの思い出を語ってくださる方々に出会いました。それはどれも記憶に残るものでした。
そして今、メルヘンチャイムは再開発の波の中にあります。この先もずっと鳴り続けるとは限らないからこそ、私はこの番組で、その“音”と“記憶”を記録しておきたいと思いました。このチャイムがこれからも街角に残り、誰かの人生の小さな背景音として、そっと響き続けてくれますように思っております。

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半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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