鉄が奏でる長田の風景
2025年5月19日~2025年5月25日
ラジオ関西 フリー ケーちゃん
【番組概要】
兵庫県神戸市長田区には身長18m、重さ50tの巨大な「鉄人28号モニュメント」が建っている。阪神淡路大震災の復興のシンボルとして2009年に建設され、街のシンボルとして老若男女に愛されている。漫画を読んだことのない子ども達も皆「鉄人28号」の主題歌を元気に歌う。大きな鉄人28号モニュメントを見上げてボディを叩くとボンボン♪と鉄の音が響く。鉄の音が響く…と言えば、長田で生まれた下町グルメ!「そばめし」を鉄板で作る時の音!鉄板の上で華麗なコテさばきを見せてくれるのは、歴史のある市場「丸五市場」で営業する「そば焼き いりちゃん」の入口茂子さん。「焼きそば」と「そば焼き」の違いを尋ねると「昔からそう言うてるからな~」と言いながらもいりちゃんの見解を「知らんけど~」と教えてくれた。この地域で鉄の音が響く…と言えば、もう一つ。ドラム缶で出来た楽器「スティールパン」の音色。震災後、全国から届いた支援に何らかの形で恩返しを…と地元商店主が集まり、まだまだ珍しい楽器「スティールパン」の音色に「ありがとう」を込めて演奏したのが始まり。今やスティールパンだけのオーケストラバンド「Fantastics」が生まれ、県内外様々な場所で演奏活動を行っている。鉄が奏でる音を追いかけると不思議と長田のまちの魅力が見えてくる。
【制作意図】
元気な下町、神戸市長田区。「鉄人28号モニュメント」「そばめし発祥の地」「スティールパンの活動が盛ん」等、地域が持つ多様な魅力を鉄の音をキーワードに繋げてみることにした。絵が見えないラジオというメディアだからこそ、「鉄」という同じ素材なのに全く異なる音が聴こえてくると想像力がふくらみ長田の風景が届くのではないかと考え制作した。
【制作後記】
幼保連携型認定こども園 近田幼稚園の園長先生に伺うと、幼稚園の年長さんになると様々なステージで「鉄人28号」の主題歌を演奏したり歌ったりするが、練習を始めるまでにお兄さんお姉さんが歌っているのをいつも聞いているので歌詞を見なくてもすぐに歌う事が出来るそうです。2009年に鉄人28号モニュメントが建設された時は、団塊の世代の方々の懐かしいヒーローのイメージでしたが、現在は長田のヒーローとして多くの人に愛されている事がわかる素敵なエピソードだと思いました。
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