100円モーニングがもたらす希望
2025年1月13日~2025年1月19日
KBS京都 ラジオ編成制作部 西村佳恵
【番組概要】
築50年、190戸中およそ4割が65歳以上の一人住まいという西京極大門ハイツ(京都市右京区)では、自主管理組合の運営のもと敷地内の集会所で毎週日曜8時半から「日曜喫茶」を開いています。
淹れたてのコーヒーとトーストに、ゆで卵が付いてたったの100円。
ボランティアの住民が交代で運営し、毎回30~40名が集う憩いの場となっています。
高齢化が加速し、ますます高齢独居者が増えていく中で、一つ屋根の下、日曜喫茶を通してつながりを深め、「おひとりさま」が明るく暮らしている様子をお届けします。
【制作意図】
今回取材した「西京極大門ハイツ」は築50年で西京極という決して便利ではない駅から徒歩10分のマンションにも関わらず、資産価値が下がらないと話題のマンションです。その理由の一つとして、住民が日曜喫茶やマンション内で開催されるイベントを通して、良好なコミュニティを築いているため、マンション管理の話し合いでも適切な合意形成がなされ、快適な住環境が維持できているそうです。
マンションが古くなるにつれ、住民も老いていく。“人と建物の老朽化”というネガティブな印象を感じさせないマンションの取り組みが気になり、今回取材をさせて頂きました。
【制作後記】
トーストにゆで卵、コーヒーが付いて100円とはお得なモーニングだと思われますが、取材に行くと意外とコーヒーだけ注文する方も多く、皆が皆、朝食目的というわけでもないようです。集会所ではおしゃべりに花を咲かせる人たちもいれば、新聞を読んだり、テレビを見たり、過ごし方は人それぞれ。それでも、ひとり家に籠っているのではなく、ちゃんと身だしなみを整えて、人に会いに行くということを大切にされている印象でした。日曜喫茶は最初隔週開催でしたが、毎週開催に変えた後の方が参加率が高いそうです。管理組合の理事長は週に1回、100円玉を握りしめて来れば、住人の健康確認ができると仰っていましたが、それにより生きがいができたという方もいて、自分もこんなマンションに住んでみたいと思いました。
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