湯けむり せんぺい物語
2024年5月13日~5月19日
長崎放送 報道メディア局 報道制作部 戸島夢子
【番組概要】
長崎県雲仙市。海に囲まれた半島の中心にあり、雲仙普賢岳がそびえる自然豊かな場所です。そして、温泉地として国内外から多くの旅行客が訪れます。硫黄の匂いが立ち込め、約30の地獄から噴煙が絶えず吹き上がる雲仙地獄は、キリシタン殉教の舞台となったことで有名です。そんな湯けむり漂う、雲仙地獄を抜けると、温泉街が見えてきます。今回の舞台はここ、温泉街にあるお土産屋さん「遠江屋本舗」です。明治時代に、木賃宿として創業し、昭和20年代に土産屋に姿を変えましたが、もてなしの心は変わらず雲仙を訪れた人々を迎えてきました。130年以上の歴史を持つ「湯せんぺい」を、今もなお、唯一の純一枚手焼きで作り続け、伝統の技を守るだけではなく、温泉街の風景をも守り、後世に伝えたいという、5代目隆太さんの湯せんぺいにかける思いをお送りします。
【制作意図】
雲仙と言えば、硫黄の香り、雲仙地獄、湯せんぺいと言ってもいいほど長崎県民にはとてもなじみの深いお菓子「湯せんぺい」。私も、子供の頃から家族旅行で訪れるたびに味わいました。食べると懐かしく優しい気持ちになれる「湯せんぺい」。この素朴で、どこか懐かしく感じる、優しい味の「湯せんぺい」の魅力。そして、雲仙の風景と共に、昔ながらの一枚一枚手焼きの製法を守り続ける職人の思いを伝えたいと制作しました。
【制作後記】
店舗の一角に作業場を構え、来る人が湯せんぺいを焼く姿を見ることが出来るのは、雲仙温泉街で唯一、遠江屋だけです。取材時に、隆太さんの”湯せんぺい”を焼く姿を熱心に見つめるお子さんや、
観光ついでにと寄られ「こんなにおいしいと思わなかった!」と、追加で注文される方など、沢山の方の旅の思い出に立ち会えた気がしてとても嬉しかったです。そして、並々ならぬ、5代目隆太さんの雲仙に対する思い、湯せんぺいに対する愛に心を打たれました。温泉街の風景と共に、”湯せんぺい”の味、手焼きの風景がこれからも、
残っていくことを願っています。
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