海女さんを訪ねて
2023年4月24日~2023年4月30日放送
東海ラジオ 報道スポーツ制作部 吉川秀樹
【番組概要】
2000年以上の歴史を持つ「海女漁」。三重県の「鳥羽・志摩の海女漁の技術」は国の重要無形民俗文化財に指定されています。中でも、鳥羽市相差(おうさつ)町は、日本で最も現役の海女が多いエリア。この町には、海女さんと会話を楽しみながら、新鮮な海の幸を堪能できる食堂「相差かまど」があります。10年前、NHK連続テレビ小説がヒットして一躍有名になった海女さん。実際に海に潜っている姿を映像などで見たことがあっても、直接お話を聞かないと、分からないこともたくさんあります。 いったいどれくらいの深さまで潜るのか?素潜りの技術とは?この仕事のやりがいとは?知られざる「海女さん」の姿を紹介します。
【制作意図】
東海地方のラジオ局に勤務していながら、なかなか直接足を運ぶ機会が少ない三重県南部エリア。鳥羽市の海女漁について、知識としては知っていても、実態は分からずじまい。一度直接お話を聞いてみたいと思ったことがきっかけです。海に潜るのに、酸素ボンベも背負わず、白衣を着て潜るだけ。その状態で、なぜ長時間潜ることができるのか?専門の技術習得にはどれくらいの時間がかかるのか?現役の海女さんの年齢層は?海女を志す若者は誰でもなることができるのか?様々な疑問が湧いてきます。 全国の皆さんに「海女さんとは何か?」を少しでも知って頂きたいという思いで制作しました。
【制作後記】
今回の取材でお話を伺ったのは、この道50年のベテラン・70歳の中村みちこさん。取材で見えてきたことは、今なお現役で海に潜り続けることに「やりがいを感じる」と話す一方で、「仕事だから、やって当たり前」「危険な仕事だけど、ある意味、仕事と割り切ってやっている」「自分がたくさん貝を獲れば獲るほど、稼げる」という思いも持ち合わせているという点です。「これは私の仕事ですから」という割り切りは、どんな業種でも共通する部分。海女の世界も例外ではない。そう感じました。後継者不足を課題としながらも、決して地元の若い女性には、海女になることを勧めない方針も貫いています。(もちろん希望者がいれば大歓迎ですが)常に危険と隣り合わせの環境で、海に生きる海女の仕事。鳥羽市の食堂「相差かまど」を訪れ、海女の世界を垣間見ることができました。
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