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2022年12月22日 (木)

うちのやぶ~お仕事は神様の警護と道案内

2022年12月19日~2022年12月25日放送 
中国放送 RCCフロンティア 森下 朋之

【番組概要】
広島県呉地区の秋祭りに出没する「やぶ」。山に囲まれた狭い地域の中で、怖がられる存在だったり、憧れる存在だったり。姿・格好は鬼のようで、シャープな鬼とは違う肉厚の「やぶ」らしいといわれる面に着物、しめ縄のたすき姿。ヒーロー的に強いあこがれを持つ人たちも多いです。ただ、この「やぶ」、いろんなことが、地域によってちょっとづつ違います。基本的に地元の「やぶ」しか、見て過ごしていないがゆえに他の地域の「やぶ」を見ると違和感しか抱かない状態になるという面白い状況に。
SNSなどの発達でうちの「やぶ」によその「やぶ」の影響が出始めている中、昔ながらのお祭りを丁寧にやっている場所もあります。その八咫烏神社の俵神輿を氏子が神社に奉納する神事・俵もみの様子を取材。力と力のぶつかり合い。次世代を担う子供たちにも、当たり前のように、うちの「やぶ」が育っている、その息吹をお届けします。

【制作意図】
9月下旬から11月23日までの呉の秋祭りで「やぶ」という怖い存在がいるというのを知ったのが取材のきっかけ。なんでも、竹棒や綱で子供をバンバン叩いたり、追っかけまわしたりするそうで。今どきそんな怖いものがいるのか?と思い、ふたを開けてみれば収拾がつかないほど様々な「やぶ」の宝庫。怖い「やぶ」はある地域に実際に存在してましたが、他にも強いあこがれやヒーロー的な存在となっている地域もありました。神様の使いで基本的な衣装の共通点はあるものの細部は実に多種多様。そして、多様性がありながら、しかも、よそを認めない貧境なローカリズム。どこの地域でも、うちのやぶがナンバーワンで、実は地元の人も気づいてないけどオンリーワン。しかも、それを競うわけでもなく。そして、コロナ禍でお祭りが派手な部分だけを残したり、よそから「やぶ」を輸入して来たり、フェス化したりする状況も。長期の取材の中で地元にある、この変わらないことが、かっこいい、大切にしないといけないという文化を守ろうとする地域に出会えました。呉地域の人が愛してやまない「うちのやぶ」に興味をもってもらえればと思い、制作しました。

【制作後記】
広島の隣町に、こんなにも多様性と地域的性格がある「やぶ」がいるとは思っていもいませんでした。週末には集中してお祭りが行われるため、どこの神社にいって音をとるか、また、「やぶ」は神社の管理ではなく、基本的に地元の青年団の管理。しかも天気やコロナの状況で当日・直前に内容が短縮されたり、中止されたりで、「やぶ」の音になかなか出会えませんでした。また、お囃子一つとっても同じものがないです。その地域ならではのお囃子などが楽しめます。また「俵もみ」なる神事は、お祭りの大きな見どころの一つ。大人の力と力のぶつかり合いを、録音のためということで、最前列にいることが出来ましたが、息をのむほどの迫力に、気がつけば自分もすっかり「やぶ」に魅せられてしまっていました。ひとくちに「やぶ」と説明できない「やぶ」を伝えられたらと思っています。

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半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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