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2022年9月16日 (金)

そろそろ帰ろうか~ 夕暮れの町に響く愛の鐘(防災無線)

2022年9月5日~2022年9月11日放送 
信越放送 ラジオ局 編成制作部  伊藤俊道

【番組概要】
あなたのお住まいの地域では 夕方どんなメロディーが流れていますか?「夕焼け小焼け」「家路」「赤とんぼ」?!数多くの災害に見舞われてきた歴史から、日本各地に設置されている防災行政 無線。屋外スピーカーは各所に設置されており、災害に関する情報や避難情報、人命に関する情報など、住民に知らせる重要な役割を果たしています。夕方のメロディーは、その機器が正常に作動するか、チェックをかねて毎日流されています。そしてそこには、市町村ごとにこだわりがあります。出身や所縁のある著名人が作った曲が採用されていたり、公募によって採用された曲が流れていたり…。番組では、そんな防災行政無線のメロディーを追いかけながら、そこに住む人々の生活に寄り添った背景を切り取り、災害が多発する昨今、9月は防災月間という事もあり、防災行政無線への関心を少しでも高めてもらいと願い制作しました。

【制作意図】
3年目のコロナ渦…自宅でのリモートワークをしていると、ある日、これまで耳に止まらなかった野外スピーカーからのメロディー。それは、地域に情報を促す防災行政無線からのの音でした。子供の頃に聞いた記憶がありますが、大人になった今は、会社にいることが多く、ほとんど耳にも止まっていませんでした。日中自宅にいると、熱中症への警戒メッセージや詐欺に注意のアナウンス。毎日様々な情報が発信されていました。そして夕方には、何かホッとする“一日お疲れさまでした”と言っているような温かみのあるやさしいメロディが流れていました。そこで、他の地域ではどのようなメロディーが流れているのか?平日のラジオ番組の中で「わが町のチャイムはどんなものが流れているか」リスナーから情報を寄せて頂き、中でも個性の地域をセレクトし今回の番組で放送しました。

【制作後記】
2019年の台風19号災害で長野県は大きな被害がありました。千曲川の水が堤防を越える中、住民に危険を呼びかけたのが地元の消防団員が鳴らす半鐘の音でした。5分間鳴らし続けられた半鐘の音を聞き、お年寄りや海外出身の人達は「ただ事ではない」ことを察知し避難しました。緊急時の伝達手段として、情報の受け手側の能動的な操作を伴わず、必要な情報が届けられるようにと設置された防災行政無線の屋外スピーカー。時代とともに求められる情報の伝達方法は、様々に変化していきますが、各地域の特性に応じ、複数の情報伝達手段を組み合わせることにより、より多くの住民へ確実に情報を伝えることが重要だと思い知らされました。災害が頻繁に起こる昨今、防災行政無線から今後サイレンや危険を知らせる音ではなく穏やかな、故郷の情景に溶け込み親しまれるメロディーが流れる存在としてこれからもあり 続けてくれることを願います。

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半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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