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2021年12月24日 (金)

冬のおわら風の盆

2021年12月20日~2021年12月26日放送 
北日本放送 報道制作局報道制作部 岩本里奈

【番組概要】
富山市の山あいにある町・八尾町。町の名前は知らなくても「おわら」と聞けばわかる人も多いのではないでしょうか。ここは、300余年も踊り継ぐ民謡行事「おわら風の盆」の舞台。毎年9月1日~3日にかけて町中のぼんぼりに淡い灯がともり、浴衣姿の踊り手たちが、「おわら節」に合わせて踊りを披露しながら町を流し歩きます。その哀愁漂う優美な姿を一目見ようと、毎年20万人もの観光客が訪れる富山を代表する行事の一つ。しかし、この町も例外なく、新型コロナウイルスの影響により、昨年に続いて今年も開催中止となりました。富山から秋を告げる音が消え、八尾の人たちの心の炎さえも消えかけていた。そんな中、越中八尾観光協会を中心に異例の「おわら特別ステージ」が企画され、今年11月から開かれています。久しぶりに戻ってきた八尾の音、そして待ち望んだ人々の声をお届けします。

【制作意図】
「おわら風の盆」は、県民にとって秋の訪れを告げる行事であり音。その音が、雪国富山でこの時期に聞こえてくるのは異例のこと。「冬のおわら風の盆」とはそれほど馴染みのない言葉です。例年とは違った形での開催となった特別ステージにかける八尾に生きる人々の想い、そしてより多くの人におわらの音を届けたいと思い取材・制作しました。

【制作後記】
私も何度も訪れていますが、幅の狭い道沿いに、肩を寄せ合いながら鑑賞するのがおわらの景色でした。今回初めて開催されている特別ステージでは、室内で椅子に座ってゆっくり鑑賞できる他、踊りの講習やホールに響き渡る音色が特別な時間を演出しています。取材中、町の人からはこの2年間開催できていないことで「伝統が伝統ではなくなっている」という言葉を聞き、ハッとさせられました。新しいものを取り入れながら後世に継いでいく今この瞬間を、より多くの方に感じていただけたら嬉しいです。

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半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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