てるはの森の染織職人
2021年11月15日~2021年11月21日放送
宮崎放送 ラジオ部 宇田津 幸恵
【番組概要】
日本最大級の照葉樹林を誇る宮崎県綾町。
面積の8割を森(てるはの森)が占める自然豊かな町の外れに「綾の手紬染織工房」は佇んでいます。宮崎の手紬「綾つむぎ」を作るため、養蚕から絹糸づくり、染め、織りまでの全ての工程を一切の妥協なしに手仕事で行っているこの工房。作業などそのほとんどが長い歴史の上にある中で、目を惹いたのが若き職人の姿です。番組では、工房での素晴らしい手しごとが生む音を中心に、若き職人の思いを描きます。
【制作意図】
きっかけは、今回ナレーターを担当した薗田潤子さんの「蚕が桑の葉を食べる音って私たちの親世代にとって懐かしい音なのよ」という言葉でした。そこから知った「綾の手紬染織工房」のこと。歴史、技術、思いなど、知れば知るほど奥が深く、どこを切り取っても物語がありました。その中から今回切り取ったのが「手しごとの音」です。宮崎県に職人がこだわり抜いて作る最高の手紬「綾の手紬」があるということ、そして現代の名工のもとで技術を磨く若き職人がいることを知っていただけたらという思いで制作しました。
【制作後記】
今回初めてこのような作品制作に携わらせていただきました。
取材を通して初めて知ることも多く、知ることができる嬉しさの半面、どの部分に焦点を当てるかとても悩んだのが本当のところです。なのでインタビューの中で若き職人の二上拓真さんが言った「作品に自信を持つには作って作っていっぱい恥をかくしかない」という言葉と、その師匠の秋山眞和さんの「面白く仕事をしなきゃ」という言葉を自分に言い聞かせながら制作しました。偶然にもこの放送が宮崎県で放送される日に、綾町で工芸まつりが開催されます。今後工芸作品を目にしたり、手に取ったりする際に、その後ろにある物語に少しでも思いを馳せてくれるきっかけになったら嬉しいです。
コメント