ブリかな、タイかな、タイじゃい!タイじゃい!~唄が育む郷土愛~
2021年9月13日~2021年9月19日放送
大分放送 OBSメディアワーク コンテンツ制作部 尾上 裕明
【番組概要】
大分市の東部に位置する佐賀関。沖合の豊予海峡は好漁場として知られています。早い潮の流れは身のしまった海の魚を育み、とくにアジとサバは「関アジ」「関サバ」としてブランド化され、全国に向けて発送されています。この港町「佐賀関」に元禄時代から伝わる「関の鯛つり唄」。古くは漁師たちによって唄われ、その後、振りもつけられ、佐賀関の民謡として大切に受け継がれてきました。関の鯛つり唄保存会の舞踊部長である岩津千津代さんは、この唄を、踊りと共に次世代の心と身体に伝承しています。
【制作意図】
ある日、テレビを見ていると、全国各地の様々な伝統行事が今年も中止になるというニュースが流れていました。その時、これらの伝統行事の伝承活動はどうなるのだろうか…とふと思いました。コロナ禍で伝統を受け継ぐという行為も難しくなる中、工夫をして伝えようとしている人たちもいるはずだと、取材対象を探しました。大分県にも様々な伝統行事がありますが、こんな時代だからこそ、明るくエネルギッシュなものをテーマにしたいと考えていたところ、この唄と出会いました。
【制作後記】
タイトルの通り、少しユニークな掛け声が印象的なこの「関の鯛つり唄」。鯛が釣れた漁師の喜びを表す「タイじゃい、タイじゃい」の掛け声を懸命に出す子供たちがとても微笑ましく、取材中、私自身元気をもらっていました。しかし、子供たちは小学生くらいの年頃になると、照れを感じ始め「タイじゃい、タイじゃい」の掛け声がだんだん小さくなると聞き、その話もまた微笑ましく思いました。照れはあったとしても、取材当日の子供たちの表情は真剣そのもので、しっかりと伝統の重みを感じ、郷土への愛情を持っていることを証明していました。
コメント