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2021年6月 3日 (木)

タイプライター ~古きよきものを残すために~

2021年6月21日~2021年6月27日放送 
文化放送 制作部 森 亮介

【番組概要】
東京、神田にある「ひかり事務機」は日本でも珍しいタイプライターの修理を請け負っている会社です。創業から50年以上、現在にいたるまで全国から修理の依頼が来るというこの会社で働く人たちにお話しを伺いました。タイプライターがどのように使われてきたのか、現代においてどのような人が使っているのか、修理の方法など伺う中で「古きよきもの」が現代、未来にわたって残っていく理由が解ります。併せて修理作業の音があります。これはひかり事務機で創業当初から修理に携わっている職人 磯貝 隆さん73歳が手作業でタイプライターを分解し、一つ一つの部品の状態を精査、その後再度組み立てている様子です。一聴すると地味な音かもしれませんが、そこには職人の技術が宿っています。

【制作意図】
今では使われなくなってしまったもの、忘れ去られえていくかもしれない文化や道具に焦点を当てたい、加えて「ものが1から組みあがっていく音」と「組みあがったものが鳴らす音」を録りたいと思ったのがきっかけです。様々なものが機械化、自動化していく中で、100年以上前の手動式タイプライターの味のある音、それを今でも必要としている人がいること、そしてその人たちの為、タイプライターを後世に残していくために情熱を燃やす人の想いを感じていただけたらと思います。

【制作後記】
取材先は大都会の中の小さな町工場のような場所でした。そこで朝から晩まで黙々とタイプライターの修理を行う姿は見ているだけで息が詰まりそうになりました。磯貝さんは「神田や秋葉原のあたりには昔はもっと文房具屋などがあり、タイプライターの修理を行うお店も多かった」と、時代とともに変わっていく町の様子についてしみじみと話す姿も印象的でした。また、取締役の福永 成一さんの話す「タイプライターが終わるとき(なくなるとき)」については、納得したのと同時に「終わり」を知りながらも続けていくことの切なさのようなものを感じました。

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半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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