明日、晴れたら~サンドイッチがつなぐ私toマチ~
2021年4月5日~2021年4月11日放送
北日本放送 報道制作局報道制作部 岩本里奈
【番組概要】
「1つのサンドイッチで、1人でも街を歩いてくれたら」。そんな思いから、三輪自転車に乗ってサンドイッチを販売するお店があります。富山県富山市にある「トマチサンドイッチ店」は、“カーゴバイク”と呼ばれる三輪自転車に乗って販売する移動型のサンドイッチ店です。出店するのは月に1回~2回の晴れた日だけ、時間と場所は当日の朝にお店のSNSでお知らせ。予告はせずにSNSを上手に使い、富山市中心街を練り歩きます。店主の針山佳奈恵さんは、結婚を機に富山へ。「街を歩いている人が少ない」。その光景を目にし、職を辞めて自分が大好きなサンドイッチを持って外にでることを決意しました。なぜ、街に人を呼びたいのか。そこには“まちづくり”ではない針山さんの思いが色濃く出ていました。
【制作意図】
出会ったのは1年前。針山さんのお人柄、そしてそのお人柄が滲みでたような優しい味わいのサンドイッチに私も何度か買い求めに行っていました。SNSで居場所を見ながら探すも見つけられない日があったり、でも見つけたときは興奮したり!いつもそこに必ずあるわけではない存在にドキドキワクワク。次第に興味が高まり、移動販売車ではなく“移動型”である意味とは。針山さんの奥底にある人物像とは。新型コロナウイルス感染拡大防止のため離れることが求められている世の中ですが、出会いを求めて歩き続ける針山さんの思いと、お供のカーゴバイクの音から、富山の音をお届けします。
【制作後記】
今年は大雪に見舞われ、天気予報に雪マークが混在する中とても気持ちの良い晴れた日でした。早朝に本日出店するとSNSに投稿し、歩き始めて数分で1人のお客さん。「さっきインスタで見てこの辺歩いていたから」と来てくれました。他にも遠くから見つけて駆け寄ってくるお客さんや、通りすがりで新たな出会いをしたお客さんの笑顔を目にし、入口は様々だけど、人との“繋がり”を感じることができました。途中、居場所を投稿するために何気ない街の風景を撮影したり、春の陽気が感じられる風景を撮影したり、店主の針山さんにとってサンドイッチがつなぐ出会いを大切にしているのだと思います。私も久しぶりに市街地をゆっくりと歩いてみて、春の富山の風景を感じました。
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