« ねえちゃんの駄菓子屋 | メイン | 明日、晴れたら~サンドイッチがつなぐ私toマチ~ »

2021年4月 6日 (火)

大人になるということ2021

2021年3月29日~2021年4月4日放送 
東海ラジオ 報道制作局第一制作部 源石和輝

【番組概要】
愛知県犬山市で毎年1月に開かれる「犬山二十歳の集い」。二十歳になる犬山市民が自ら企画、運営しています。2021年は新型コロナウイルスの影響で開催が危ぶまれましたが、感染対策を万全にして1月10日に決行。山田拓郎市長も「実行委員の決断を理解、応援、共有する」と背中を押しました。集いは2001年、「荒れる成人式」が社会問題化するなか市主催の式典が廃止され、新成人たちが自ら立ち上げたのが始まり。以来ホテルの宴会場を使ってパーティ形式で行われていましたが2019年にホテルが閉館。2020年から市のホールで実施しています。実行委員長の岩村恵吾さんはコロナ禍で計画変更やリモート会議を余儀なくされながらも、ソーシャルディスタンス、二部制による密の回避、二次会禁止を呼びかけるなどして本番を迎えました。「二次会が好きだが実行委員なので我慢した」と語る副委員長の若山幸人さんらと支えあいながら集いは成功。市内に二十歳の感染者は報告されませんでした。山田市長は「集いをやったことが財産」と二十歳の市民をたたえます。今回のテーマは「支援」。若山さんは「今後の人生のテーマになる」、岩村さんは「自分たちにしかできない経験ができた。伝えていかねば」と振り返ります。支えられながらやりとげた集いを通して、やがて支える側に回ることを誓い、大人の自覚を高めていました。

【制作意図】
初春の風物誌ともいえる愛知県犬山市の「犬山二十歳の集い」。2001年「新成人の集い」としてスタートしたときから取材を続けています。セレモニーからパーティーに転換することで新成人同士が互いに成長を祝いあうスタイルが確立され、その影響は他の自治体にも及んでいます。あれから20年、成人式をめぐる環境は激変。成人年齢の18歳への引き下げ、少子化による新成人人口の減少、新型コロナウイルス感染拡大による開催の是非。さらに犬山市では会場だった大型ホテルの営業終了がありました。そんななか、2021年の集いは感染対策を万全にして開催。そこには当年度の実行委員たちや歴代の実行委員たちの努力、市長をはじめとする行政の尽力、そして市民たちの協力がありました。番組では現在と過去の集いの音源、実行委員や市長らのインタビューを通して、全国に誇れる犬山ならではの「大人になる通過点」を描き出してゆきます。

【制作後記】
奇しくも「集い」自体が二十歳の節目。正直ここまで追いかけるとは思ってもいませんでした。初年度は準備期間わずか3ヶ月。ゼロから作り上げたパーティに涙がこぼれそうになったのがきのうのようです。毎年その年代にしかできない集いを見せてくれましたが、コロナ禍の今回は初回以来のピンチだったと言っていいでしょう。1年半かけて準備しても無駄に終わるかもしれない恐怖。プレッシャーのなかギリギリまで迷った末に開催を決断。やはり集いは時代を映し、変わる環境の中で進化していました。実行委員たちを支えた47歳の山田市長は「年齢は違っても同じ大人。逃げたり隠したりごまかしたりせず、正直、丁寧、本気で向き合った。世代による感性の違いを異質と遠ざけず、刺激しあいながら価値を生み、社会を豊かにしていきたい」と若い大人たちに期待を寄せます。正副実行委員長として互いを支えあった岩村さんと若山さんは同じ中学の親友同士。ともに夢は教員になることです。今回の経験はきっと子どもたちにも伝わっていくことでしょう。冒頭に2年連続中止となった犬山祭の音を使用したのは、放送週に開かれるはずだった祭へのオマージュであり、祭のように集いが次代へ受け継がれることへの願いでもあります。

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://bb.lekumo.jp/t/trackback/563083/34228492

大人になるということ2021を参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

ブログ powered by TypePad