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2021年4月 6日 (火)

祭り馬と共に~12年後は赤いちゃんちゃんこで~

2021年3月1日~2021年3月7日放送 
宮崎放送 ラジオ局ラジオ部 假屋幸一郎

【番組概要】

宮崎県東臼杵郡美郷町に、平安時代中期から続く伝統農耕行事「御田祭おんださい」この祭りに欠かせない神馬「祭り馬」を長年飼育・調教してきた、町外の馬主が、高齢と健康上の理由により、引退すると・・・このままでは、祭りの存続が危ぶまれる・・・同町出身の大野英樹(48才)さんは、30歳の時、Uターンし、和牛繁殖農家を。子供のころに祭りで見た「大きな馬」が、神田の中を駆け回る勇壮な姿が忘れられず、帰郷後も御田祭の馬の乗りてとして、祭りに関わってきた。祭りを存続させたい、その一心で、美郷町西郷では実に50年ぶりとなる「祭り馬」の飼育を決意。その矢先での、このコロナ渦。また、この年の御田祭は中止となり、馬の祭りデビューもできなかった。しかし、12年後が御田祭1000回目(つまり1000年目)、そして、自身還暦を迎えることとなることから「赤いちゃんちゃんこを着て、自分が育てた馬に乗り、神田を駆け回りたい」と、2頭の馬も同じく、その瞳を輝かせている。

【制作意図】
この「御田祭」には、ラジオ制作の仕事を始める前に、会場の音響として何度か、携わったこともあり、また、取材対象者も、当時、同業者で、幾度か、県内外の現場で一緒になることがありました。その後、彼が、Uターンし、また、祭りに、地元人として、関わっていることは知っていましたが、今回、 祭り馬の飼育も始めると聞き、その胸の内を聞いてみると、伝統を守る、続けることへの厳しさ、でも、故郷の為に、自分の為に、そして馬へ思いも、話してくれました。宮崎県内には、数々の、伝統ある祭りがありますが、高齢化、人口減少、担い手不足、様々な問題があり、途絶えていくものも少なくありません。この番組を聞いて、少しでもお役に立てたらと思ってます。

【制作後記】
何といっても、コロナ渦につきます・・・取材予定の令和2年度の祭りは中止に。                       また、令和3年1月7日には、県独自の緊急事態宣言が発令され、局としての取材活動ができなくなりました。取材対象、番組変更なども検討しましたが、取材ができないので同じこと。大幅に番組構成を変更、取材対象者へリモート取材、現場ノイズは、対象者に、機材を預け、牛小屋や馬小屋、そして、放牧場に、録音機を設置してもらい収録、祭りの音源は、過去のものを再編しました。どの局もそうでしょうが、コロナの事で、新たな番組制作の方法が、こんなこともできるんだ~と、業界30年にいて、また、勉強させられました。あと、ラッキーなことが一つ、2頭の馬の嘶きが綺麗に録音できていました。きっと、私たちが伺ってマイクを向けても、警戒したでしょう。以前にも、収録でかなり苦労した経験がありますが、その嘶きから、大野さんを信頼していることも感じさせられました。

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半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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