ひびけ!とっかん
2020年1月6日~2020年1月12日放送
信越放送 松井健悟
【番組概要】
同じものでも地域によって呼び名が変わるものがあります。「とっかん」もそのひとつ。コメを膨らませたいわゆる「ポン菓子」のことを指す長野の方言です。主人公は長野市でポン菓子の移動加工業をしている新井敬一さん(77歳)。軽トラックにポン菓子を作る器械を載せて各地を回り、その場で加工するというスタイルを半世紀近く続けています。番組では新井さんに密着取材。今では見ることが少なくなったポン菓子加工という文化を伝え、続けていきたいという新井さんの思いを綴ります。
【制作意図】
今ある日常は、未来の子どもたちには違う景色のように見え、聞こえるはずです。変わらないもの、変わりゆくもの。かつて「とっかん加工」が日常に存在した信州の景色は、私の子どもが大人になった時にはなくなってしまう景色・音かもしれません。半世紀近くポン菓子加工を続けてきた新井さんを通じて、今ある日常を描きたいと制作しました。
【制作後記】
ポン菓子加工をするときには、かなり大きな音が出ます。釜の目の前にいると耳をつんざくほどの迫力ある爆音です。新井さんは、この作業を何万回と繰り返してきているはずです。にもかかわらず、新井さんは「うっとうしいから」と耳栓をしません。年齢もあって、最近耳が聞こえにくくなったそうです。これからも健康に続けていくためにも、耳を大切にして仕事を続けてもらいたい…。マイクを向けながら感じていた、私からのささやかな願いです。
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