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2018年7月31日 (火)

博多織777年 織機が奏でるオーケストラ

2018年7月9日~2018年7月15日放送 
RKB毎日放送 ラジオ局制作部 服部義夫

【番組概要】
誕生して今年で777年を迎えた「博多織」。絹と絹が擦れ合った時に出る音=絹鳴りは何とも言えない音がする。その博多織がどうやって作られているのか、その製作過程を見に工場を訪ねてみると、そこには広い工場に35台の織機をはじめ様々な機械が所狭しと並んでいた。それぞれの工程を担った織機が動き出すと単なる機械音だが、それが一斉に動き出すと圧巻の響きが・・・その姿・音はまさにオーケストラ。目をつぶっていると工場がコンサートホールに感じてくる。そんな博多織は今も生活、街に彩を添えている。


【制作意図】
今年、777年を迎えた「博多織」は、伝統芸能、街や生活を彩り、昔から愛され、息づいているが、実際に博多織がどう作られているか見たことがなく、周りでも知らない人が多かった。そこで、今から157年前、文久元年に創業した博多織最古の織り元・西村織物を取材した。そこには、35台の織機が絶え間なく動いていた。一見、無機質な織機の機械音がひとひとつ重なるとオーケストラの演奏のように感じた。その音は、職人たちにとっては、時間と手間をかけて作っているからこそ、思い入れのある音であり、心地よい音であり、心意気やプライドが詰まった音であった。博多織は、昔から人々の生活に密着し、そして後世に伝えていきたい文化であり音がそこにはあった。

【制作後記】
職人がひとつひとつ手作業で織っているイメージの博多織。
もちろん、そういう製法も受け継がれているが、工場に行ってみると織機で一斉に製造していて驚いた。しかし、それは機械任せではなく、職人の目、技がなければ綺麗な博多織はできないと言う。
また、今は織機を製造しているところも、部品もないと言う。今、使っている織機を大事に大事に手入れをしている職人の目・姿は、我が子、孫と接しているようで印象的だった。
守っていきたい伝統、音である。

 

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半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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