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2017年10月 3日 (火)

古楽器に魅せられて~古の音色が響く森

2017年10月2日~2017年10月8日放送 
大分放送 ラジオ局アナウンス部 平川侑希

【番組概要】
大分県北部に位置し豊かな自然に囲まれた杵筑市山香町。田園風景の中現れる小さな森の工房で古楽器の制作を行っているのは松本公博さん(68)。大学卒業後ピアノの調律しをしていた公博さんは、ピアノの前身であるチェンバロを制作したのを機に古楽器づくりの道へと進み、以後約60種類、数千にも及ぶ古楽器を制作してきました。公博さんがつく角は中世ヨーロッパ時代に存在した古楽器。実物はもちろん設計図もないため、設計、制作、調音そして時には材料尾となる木の伐採まですべて自分の手で行っています。古楽器の魅力を多くの人に伝えようと、妻のてるさん、息子の未來さん、長女の舞香さんと共に一家で演奏活動を行っています。工房がある森には、いつも古楽器が作る音、そして美しい古楽器の音色が響いています。

【制作意図】
古楽器の制作には、材料となる木の伐採から調音まで様々な過程がありますが、その中でも公博さんが大切にしているのが木の乾燥です。伐採後、短いものでも3~4年、長いものでは100年以上乾燥が必要なものもあります。当然自分たちが生きている間に使わないものもあり。公博さんは、古楽器が存在していた過去、そして自分が伐採した木が使われる未来にも思いを馳せながら日々古楽器づくりを行っています。そんな公博さんの楽器へのこだわりや強い思い、そして古楽器が奏でる音色の素晴らしさをお伝えできればと思って制作しました。

【制作後記】
公博さん工房がある森では、毎年松本さんの息子未來さんと、長女舞香さん主催で「Sing Bird Cocert」というイベントを行っています。古楽器の演奏や、アーティストによるライブ、古楽器づくりが体験できるワークショップ等が行われ、今年も県内外から200人を超える人々が訪れました。今は家族4人で古楽器を奏でている松本さん一家ですが、今年の春にはお孫さんが誕生しました。公博さんは、いつか孫も加わっての演奏が出来ればと夢を膨らませていました。

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