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2010年4月19日 (月)

潮騒の街のシスターとオルガン

長崎放送 ラジオ局制作センター 尾上 裕明

長崎市中心部から車で50分、左手に遠く五島灘を望みながら西彼杵半島を北上すると外海地区に着きます。
外海地区は、禁教時代、厳しい迫害を逃れたキリシタンが隠れ住んだ地。遠藤周作の小説「沈黙」の舞台としても知られています。

この地区には、キリシタンの遺跡や協会、歴史的建造物も多く集まっており、本編で登場する「ド・ロ神父記念館」もこの一帯にあります。

フランス人宣教師のド・ロ神父は明治時代、この外海地区で社会福祉をはじめ、建築・医療・教育などの様々な分野に奉仕し、貧しく厳しい生活を強いられていた人々を救うことに渉外を捧げました。

そのド・ロ神父の遺志を受け継ぎ、この記念館で毎日をオルガンを奏
で、歌っているのが、橋口ハセさんです。

橋口ハセさんは13歳でシスターになり、20代からオルガンを弾き始め、現在で91歳。ハセさんと会おうと、この地を訪れる人々も多く、ハセさんはそんな人々のため、オルガンをかなで、聖歌などの歌を聴かせてくれます。

微笑みが印象的なシスターが奏でるオルガンの音色にのせて、ド・ロ神父の教えは、外海地区の歴史と、橋口ハセさんの存在を広く伝えたいと思い、制作しました。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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