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2007年8月20日 (月)

海女の恋歌~なんぼや~

福井放送 ラジオセンター 越桐 清司

すぐ近くに奇勝「東尋坊」を望む福井県三国町安島地区。ここに伝わる民謡が「なんぼや踊り唄」です。

「なんぼや」とは、江戸時代南部地方(現在の青森県東部と岩手県北部)から北前船によって伝わったことから「南部や」が「なんぼや」になったそうです。

安島地区は、その地が海の近くにある岩盤だったために農作物の栽培には適さず、男性の大半が船員として出稼ぎに行きました。その間、女性たちは留守宅を守り、海女としてその幸を収穫しながら子供たちを育てました。

その海女たちによって伝えられたのが「なんぼや」なのです。その中には、夫や恋人の帰りを待つ女心を綴った恋唄なども収められておりその数は、全部でなんと260節。

テンポがゆっくりとしていて鳴り物が入らないのが特徴です。終戦後の混乱で「なんぼや」は、途絶えていましたが、昭和30年ごろから復活。現在では保存会の人たちと学校の先生が協力。小学校の授業でも歌われ、後世に伝えられています。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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