次世代につなぐ~高橋の虫送り
2025年8月11日~2025年8月17日
ラジオ福島 編成局 飯田英典
【番組概要】
その年、その季節にしか聴くことができない音があります。福島県の会津美里町に伝わる「高橋の虫送り」は、昨年1度運営団体である保存会の解散が決定しましたが、地元の有志が集まり、「高橋小野虫送りをつなぐ会」として継続していくことを決めした。「つなぐ会」の結成初年度は、準備のため一部のみの実施にとどまりました。そして今年、虫送りを、「虫かご」作りから虫供養、町内巡航、虫送りの全体を通して再開することになりました。2年のブランクを挟んで再開された「高橋の虫送り」の模様を、子どもたちが歌う「虫送りの歌」を中心に、地域の先輩たちの指導で行われた虫かご作りから、虫供養から虫送りまでの行事の一連の流れを「音」で追うとともに、「高橋の虫送り」の継続への思いを、s会の代表の言葉でお送りします。
【制作意図】
かつては各地で行われていた「虫送り」の行事も、少子高齢化の影響あって継続している箇所も減ってきました。失われつつある伝統行事「虫送り」に、自然との共生、多様化する現代でも重要な意味を持つと考える人々の取り組みを、「虫送りの歌」や橋の上から虫かごを川に流す「虫送り」など、失われつつある伝統行事を音で捉え、その再開への取り組みを紹介していきます。
【制作後記】
伝統行事には、これまで行われてきた形があります。しかし少子化や、自然環境の変化、また、農耕に関する技術の進化の中で、その形を維持していくことが難しいこともあります。そういった変化を認めながら、本質にある自然の恵みと共生、自然への畏怖などから学ぶことも多く、時代に合わせ姿を替えながら伝統行事を守ってくこと、それをつなごうとする人々の熱い思いを判じることができる取材でした。番組の中で歌われる「虫送りの歌」には、法螺貝の伴奏があるそうです。今回は準備が間に合わず掛け声で、調子を取っていましたが、来年には法螺貝の音色も加わった「むしおくりの歌」が帰ってきそうです。「高橋の虫送り」が今後どのように変わっていくのか、来年の開催が今から楽しみです。
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