木で包む、もくめんって知っていますか?
2024年8月12日~8月18日
高知放送 ラジオ制作部 手島伸樹
【番組概要】
高知県中部に位置する土佐市。ここに日本で唯一、木毛(もくめん)を専門に製造している会社、戸田商行があります。もくめんは、木を薄く細く削った緩衝材。森林率84%の高知県の原木を使用し、職人たちが丁寧に加工したものです。緩衝材という商品性質からどうしても安価になりがちで、全国にあった木毛業者は次々に廃業していきました。そんな中、戸田商行は生活の様々な場面で木の商品と共に暮らし、木の文化に親しんでもらおうと、今ももくめんを作り続けています。
【制作意図】
引き出物で頂いたフルーツなどの周りに緩衝材として使われている木毛(もくめん)を一度は見たことがある方が多いと思います。しかし、この商品がどこでどのように作られているのかは意外に知られていません。決して主役ではない商品ですが、その制作現場では、1本として同じものの無い原木から、如何に美しい木目のもくめんを創り出していくのか、日々、研鑽している職人たちがいます。日本一の森林率84%を誇る高知県だからこそ、”最後のもくめん屋”として今もモノづくりを大切にする戸田商行を取材しました。
【制作後記】
工場に並ぶ、もくめんを削る機械は創業当時(昭和36年)から使用しているものも。まるで工業遺産の趣です。緩衝材と言えば、いわゆるプチプチと呼ばれるケミカルなものが主流ですが、改めて、もくめんの持つ木の柔らかさ、温かさは、日本人ならではの木の文化を感じさせてくれました。原木を削り、端材はもくめんを乾燥させる熱源に利用するなど無駄のない持続可能な商品は昔から続いているものですが、SDGsが注目を浴びる現在に相応しい商品と改めて感じました。
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