水の都西条「うちぬき」を未来へ繋げ
2023年5月15日~2023年5月21日放送
南海放送 メディアセンター 古茂田圭
【番組概要】
愛媛県の東部に位置する西条市は北は瀬戸内海、南は西日本最高峰の石鎚山がそびえる自然豊かな町です。さらに旧西条市(平成16年2市2町が合併)には約3000カ所に「うちぬき」と呼ばれる石鎚山系地下水の自噴井があり、水の都として親しまれています。ところが、近年「うちぬき」に変化が表れています。地下水の水位の低下、そして塩水化(地下水を大量にくみ上げることにより、地下水帯水層に海水が混入し、地下水の塩素イオン濃度(塩分濃度)が高くなること。)も起こっていあす。うちぬきの水は石鎚山系に降った雨が長い時間(10年~100年)をかけて市内を流れる加茂川の伏流水、その川の水位も下がってきているおです。その原因は何か、さらに「うちぬき」は未来へ繋げるための2つの取組をご紹介します。
【制作意図】
今年の3月に開催したラジオのSDGsのイベントで西条農業高等学校のTeam SSSの旧メンバーに出会いました。Team SSS(Saino Surveying Squad)=西農測量隊として地域情報を発信したり各種コンテストに応募したりと様々な活動をしています。その中で、「うちぬき」を知り・伝え・守ることを目的に、市内での名水ツアーやうちぬきを使った商品作りなどもしています。環境の変化により、うちぬきの水も限りあるものであることも知り多くの人い伝えたと語ってくれました。当時3年生は卒業し今年度新しメンバーで新たに活動することを知り番組で紹介したいと思いました。また環境変化の原因は石鎚の山の手入れができていないことです。「うちぬき」の水を守ろうと山で活動する西条自然学校の取組も興味深いものです。一見豊かにみえる自然の本当の姿を伝えたいと制作致しました。
【制作後記】
うちぬきの水は、名水百選にも選ばれている安全でおいしい水です。取材した高校生たちもほぼ家には自噴井があり、水道の水とは全く違うと誇らしげに話してくれました。旧西条市の水道普及率は20%強、いまでも多くの家庭で「うちぬき」の水が暮らしの水です。水道料金も発生しません。この豊かさはあたりまえではなく、先祖がきちんと山を守ってきたからだと、だからこそ今、自分たちができることをしようと活動する高校生の姿がとても清々しく感じました。新年度が始まったばかりで課題も多いようですが、頑張っていほしいと思います。また、西条自然学校の山本理事長の活動にも頭が下がります、自然の森にもどそうと人工林の伐採を続けられています。山の仕事は危険を伴うえ重労働です。それでも自然の力はすごいと話してくれました。「鳥が木の種を運び 2~3年後には山にあった木が育ってくる」と・・。眩しい笑顔が印象的でした。
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