白い輝きそうめんづくり
2023年2月20日~2023年2月26日放送
西日本放送 ラジオセンター 白井美由紀
【番組概要】
香川県の小豆島で400年間続く手延べそうめんづくり。そうめんというと、夏のイメージがありますが、実はそうめんづくりの最盛期は冬。寒い冬は空気が乾燥していて、そうめんの味も引き締まるそうです。また、天日干しにすることで、太陽の光を浴び、そうめんはより白い輝きを増し、美味しく仕上がります。以前は、一つ一つの工程を手作業、足作業で行っていたそうめんづくりですが、最近ではずいぶん機械化も進み便利になりました。しかし、いくら機械を使っても、その日の温度や湿度、気候などにより、刻一刻と変化するそうめんの状態を確かめるのは、職人の五感。そして必ず仕上がりの部分には人の手による作業があります。マルカツ製麺所の三木さんは「面倒をみる」という表現を使っていましたが、まさに目が離せない幼い子どものように、常に見て、常に触って、においや音も感じながら、その状態を確認して作業しています。朝5時からスタートした作業は夕方5時まで、その間ほとんど、全力疾走するかのように家族みんなが動いていました。(機械はその工程ごとに代わるので、機械の方が休んでいるかも・・・)手間のかかる作業ですが、そうめんにまで心地よい音楽を聞かせる・・・なんて愛情もたっぷりかけて美味しいそうめんを作る三木さんの想いを届けます。
【制作意図】
小豆島でそうめん業をしているところは昔は250軒ほどあったそうですが、今は120軒くらいとかなり減っています。職人の高齢化も進み、60歳~70歳台の人が多いとか。三木さんは30歳台でかなり若手です。作業は、三木さんとお母さん、その日によって従業員さんがくる場合もあるくらい。ほとんど家族でされています。マルカツ製麺所5代目のお父さんは、三木さんが大学卒業後アパレルの仕事をしていた社会人2年目の時に亡くなられ、それを機に、島に戻ってきたそうです。叔父さんがいろいろと教えてくれていましたが、その叔父さんも早くに亡くなってしまい、以降いろんな人に教えてもらいながら、そうめん職人として育ててもらったといいます。若手ならではの工夫やアイデアをいろいろと試行錯誤しながら、これからのそうめん業を盛りあげていきたいと、日々努力を重ねています。若い職人さんがそうめんづくりに興味を持ってもらえるように、三木さんの思いが届きますようにと制作しました。
【制作後記】
そうめんづくりは、どの工程も大切で、朝5時から夕方までの作業すべては番組に反映できませんが、丁寧に丁寧に作られていることに、感動しました。三木さんご家族や、小豆島の皆さんの溢れる愛とお人柄にふれて、心が洗われるような取材でした。お昼ごはんには、生そうめんをいただきました。もともとまかないとして食べられていた生そうめん、最近ではマルカツ製麺所さんでも通販で販売していますが、この味が忘れられません。コシがあって、のど越しもよく、香り高く味わい深い生そうめんにすっかりハマってしまってます。生そうめんのことは、地元の人でも知らない人が多いくらいレアです。ちなみに、生そうめんに、そうめんつゆだけじゃなく、小豆島の特産品でもある「オリーブオイル」を少しかけると、これまた、最高です!!!意外と思われるかもしれませんが、「出会うべくして出会った運命の出会い」と言えるくらい、相性バツグンです。
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