声を持たないコウノトリ 日本の空に戻る
2022年8月1日~2022年8月7日放送
ラジオ関西 報道制作部 高塚恵子
【番組概要】
国の特別天然記念物、コウノトリ。羽を広げると2メートル以上にもなる大きな、そして白と黒の美しい鳥です。一度は日本の空から消えましたが、野生復帰への取り組みなどが行われ、その数も増えてきています。そんなコウノトリの鳴き声、聞いたことありますか?実は鳴かない、というより鳴けない鳥です。。コミュニケーションはくちばしを鳴らすクラッタリングで。鳴き声があるのは、卵から孵化して巣立ちまでのわずかな期間だけです。コウノトリがどんな鳥なのか、人間と共生するには何が必要か、関係者の言葉をヒナの声とともにお送りします。
【制作意図】
コウノトリは兵庫県の県鳥。とはいえ、その姿は豊岡や生息地域以外ではなかなか目にすることはありません。どんな鳴き声なんだろう?調べてみると実は鳴けない、鳴くのはヒナの間のわずかな期間だけ。そんな貴重なヒナの声を聞いてみたいというところから企画しました。
【制作後記】
コウノトリは警戒心が強い鳥なので、ヒナの声を聞きたい、と思っても果たしてうまく録れるのか。飼育施設でタイミングよくヒナが孵化してくれるのか。最初は不安でいっぱいでした。県立コウノトリの郷公園の船越稔さんたちの協力の下、レコーダーを飼育施設の巣の近く放置、数時間後レコーダーを回収し、音を確認しました。でも聞いたことがないので、どの音がヒナの声なのかわかりません。「え?これ?馬?怪獣?」と思った声(音)がヒナの声。最初は驚きましたが、聞いているうちに親近感がわき、かわいく思えるようになりました。一度は「絶滅」したコウノトリですが、少しずつその数は増えつつあります。かつてのように優雅に飛ぶ姿を、各地で見られる日が来てほしいと、願うとともに、私たちにできることは何か考え、できることからやっていきたいと感じました。
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