勇壮!けんか七夕~わが町の祭、再び~
2022年8月29日~2022年9月4日放送
IBC岩手放送 メディア編成局ラジオ放送部 高橋典子
【番組概要】
岩手県沿岸南部の町、陸前高田市気仙町。ここでは毎年8月7日に、900年の伝統を受け継ぐ「けんか七夕」が行われてきました。丸太を取り付け七夕飾りをつけた山車をお互いにぶつけ合うという、沿岸ならではの荒々しくも勇壮な祭りです。11年前の東日本大震災で大きな被害を受けた後も、ボランティアの力を借りるなどして祭りを続けてきましたが、新型コロナの影響で2年中止となりました。しかし今年は3年ぶりに開催できることになり、しかもやっと地元の住民だけで行う祭りが復活しました。
【制作意図】
岩手県沿岸部の街は東日本大震災で大きな被害を受け、長い時間をかけて復興に取り組んできました。ようやくインフラも整い始め、散り散りになっていた住民も少しずつ戻り始めた頃、新型コロナウィルスが流行し、陸前高田市気仙町では心の支えともなっていた祭「けんか七夕」を中止せざるを得ない状況となってしまいました。しかし今年は3年ぶりに開催できることになり、住民あげて祭りを成功させようと懸命になっていました。番組では人々の祭り対する思いと共に、900年の伝統を持つ勇壮な「けんか七夕」を紹介したいと思いました。
【制作後記】
地域に受け継がれてきた伝統ある祭りも、最近は後継者不足で継承が危ぶまれている所が多くあります。そんな中、気仙町の「けんか七夕」を取材してみると、若い人たちがたくさん参加していました。「子どもの頃から見ていた祭りは自分たちが受け継いでいく!」という心意気です。「「なぜだろう?」と疑問に思いましたが、ここでは東日本大震災の大きな被害、新型コロナウィルスの流行と、様々な苦難を目の当たりにしたからこそ、そこに強い郷土愛が芽生えたのかもしれない、と思いました。先輩たちの厳しい指導、それに素直に従い志を持つ若者たちを、とても心強く感じました。
コメント