豪雪地の雪下ろし~空から冷蔵庫が降ってきた!
2022年1月31日~2022年2月6日放送
山形放送 アナウンス部 門田和弘
【番組概要】
≪これが豪雪地の雪下ろし!≫ 山あいに、20件もの旅館が肩を寄せ合うように立ち並ぶ肘折温泉。上を見上げると屋根には2mもの雪の塊が・・・。昨年12月25日から連日のドカ雪となった大蔵村肘折では、今年1月4日には積雪が2m超に。氷点下4℃、この日も もっさもっさ と雪の降りしきる中、朝から夕方まで 「雪下ろし職人」に密着しました。ここでは地元の有志によるいくつかのグループが、旅館や民家の雪下ろしを行っています。肘折では雪下ろしに使う特有の道具があります。それは、ノコギリ! ①ノコギリを使い、屋根に積もった2mの雪を切り出しスノーダンプで運んでいく。 ②安全確認後、1つ200kgもの雪の塊を、軒先から下に放り出す。 この作業が何度も何日間も繰り返され、肘折の冬の暮らしが守られています。豪雪地・肘折の雪下ろし現場、その最前線に潜入です!
【制作意図】
≪豪雪地ならではの音風景の発信≫ 初めて冬の肘折を訪れたのは30年前。温泉街に入ったとたん、一瞬目を疑いました。「空から冷蔵庫が降ってきた」 のです。そのイメージが強く、タイトルに入れました。肘折を訪れると雪下ろしのイメージが覆ります。音風景も豊富です。 ○ 「どっしゃーん」「ずばばばーん」 と耳をつんざく雪の落下音 ○ ノコギリを使い、雪を切り出す音 ○ 雪を運ぶ職人の息遣い いずれも厳しい自然と闘っている中で生み出される音なので、緊迫感があります。 いつかこの音をラジオで番組にしたいと思っていました。 冬の関東地方は太平洋高気圧に覆われよく晴れます。一方、肘折はまるっきり違う世界です。このあと雪は2月下旬まで増え続け、必死の雪下ろし作業は春先まで続きます。
【制作後記】
≪過酷な取材でした≫ 雪が無ければこの取材は難しくなります。去年の暮れから天気予報を気にしてソワソワしていましたが、年末から年始にかけて寒波が来襲、順調に雪が増えました。今年の私は「雪下ろし」 が仕事始めです。肘折に着くといきなり雪塊しぶきの洗礼が!雪まみれになりながら、まずはこの迫力ある爆音をどう収録するのか?悩みました。200kgの雪塊は大変危険です。落ちてくるギリギリの所にマイクを立て、上手く職人にコントロールしてもらい、収録に臨みました。あまりにも激しい音なので、ひずみが生じ、半分以上が使えませんでした。旅館の屋上では、ノコギリ音に挑戦です。高さ15mの屋上は風も強く、体が芯から冷え、雪の積もったマイクはぶるぶる震え、いい音が録れているか不安でした。そして、氷点下の凍て付く世界から40℃のポッカポカ温泉へ。入浴シーン収録後も皆 「あ~」「う~」「ふぅ~」。過酷な取材も全て忘れ、最高の1日となりました!
明日の放送、楽しみにしています。音の収録の大変さが事前に分かって、ますます放送の際は、しっかりと聴こうと思います。
投稿: こめちゃん | 2022年2月 4日 (金) 09:19