山あいに響く懐かしの音
2022年1月3日~2022年1月9日放送
信越放送 編成制作部 小林徳明
【番組概要】
長野県の南部、東西を南アルプスと中央アルプスに挟まれた山あいの地域を進むリヤカー。そして、郷愁を誘うように響く懐かしいラッパの音。ここでは、北海道から移り住んだ若者が、市街地から離れた場所に住み、コロナ禍で外出を控えているお年寄りたちに、味が自慢の豆腐を届けようと、昔ながらの豆腐の引き売りを行っている。引き売りでは、自然と会話が生まれ、お年寄りたちに、豆腐だけでなく笑顔も届けている。
【制作意図】
豆腐屋さんが鳴らすラッパの音は、自分にとっても子どもの頃に聞いたことがある、懐かしい音です。しかし、いつのころからか聞くことがなくなり、すっかり忘れていた音でした。そのラッパを使って、しかもその音を知らない世代であろう若者が、豆腐の引き売りをしていることを知り、どんな人がやっているのかということに興味を持ったのと同時に、懐かしい音の周りに、どんな人が集まり、どんな時間が流れるのかを知りたいと思い取材を始めました。
【制作後記】
手作りのリヤカーを引き、ラッパを鳴らしながら豆腐の引き売りをしている若者は、物静かな中にも、バイタリティーあふれる若者でした。縁もゆかりもない地に移り住み、母親やおばあさんにあたる世代の女性の中で働きながら、山あいに住むお年寄りたちに豆腐を届けたいという思いには、頭が下がる思いもし、こうした若者のエネルギーが、買った人たちの笑顔になっている様子を見て、爽やかな気持ちで取材を終えました。
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