不思議の森を訪ねて
2021年11月1日~2021年11月7日放送
和歌山放送 報道制作局報道制作部 黒川綾香
【番組概要】
和歌山県の南の端・新宮市には、国の天然記念物に指定されている「浮島の森」という島があります。この島、「不思議の森」と呼ばれているんです。浮島という名前の通り、水の上にプカプカ浮いているということに加え、本来、新宮のような暖かい地域では育たないはずの寒冷地で育つ植物と暖かい地域で育つ植物とが共生していることからこのように呼ばれています。この番組では、そんな不思議の森の秘密をガイドや地元の子どもたちの話を聴きながら探っていくとともに、森が持つ魅力や私たちに訴えかけるメッセージを読み解いていきます。
【制作意図】
最近よく耳にする「多様性」という言葉。人種や言語はもちろん、考え方や経験、ジェンダー、年齢、身体能力など、幅広い観点から多様性が求められています。和歌山県熊野地方は、古から「癒しと蘇りの地」と言われ、熊野詣を通じて老若男女、身分の差、善悪に関わらず全てのものを受け入れ、人々を蘇らせてきた神秘の世界。人々は神を信じ、自然に身を委ね、勇気と元気をもらい、前に進んできました。そんな熊野地方の入り口、新宮市の湿地に浮かぶ「浮島の森」。この島には、いろいろな動植物が関わり共生している不思議な空間が広がっています。今、新型コロナウイルス感染症拡大で人々の生活が一変しています。さらに、世界各地では紛争や偏見、差別、貧困などに苦しむ人が多く、共生の考えが今問われているのではないでしょうか?番組では、和歌山県の「浮島の森」の汎用性とそれに関わる人々を紹介しながら、共生のあり方を考えます。
【制作後記】
実際に「浮島の森」に足を踏み入れると、たくさんの植物で入り乱れています。番組でもご紹介しているように、熱帯の植物、暖かい地域で育つ植物、寒い地域で育つ植物が共生しています。さらに、そこにはいろいろな昆虫や動物も暮らしていました。和歌山県に住んでいても、新宮市以外に住んでいる人にはなかなか馴染みのない「浮島の森」。しかし、1度訪れるとまた行きたくなる魅力があります。ガイドの方たちや地域の子どもたちの話からも地域では馴染みがあって、大事にされていることがわかりました。こんな珍しい島、他にはありません。ぜひ皆さんにも1度訪れていただき、この島の魅力を感じていただければと思います。
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