全力プレーのそばで輝く
2020年11月16日~2020年11月22日放送
熊本放送 ラジオ制作部 上妻卓実
【番組概要】
スポーツの中でも特にスピード感あふれるバスケットボール。短い時間内に次々と得点が加算されたり、選手の交代やタイムアウトと呼ばれる試合を中断して作戦を練る時間など、絶え間なく状況が変化するバスケットボール。こんなにも複雑なスポーツは、どのようにして成り立っているのでしょうか。その答えは、コート横1mにありました。4人の白いジャンパー姿の彼らはテーブルオフィシャルズ、通称TO。試合時間や得点の管理をはじめ、ルール全般を司る、バスケットボールの試合に欠かせない存在です。そんなTOを熊本で8年間続けている若杉玲子さん48歳。小学生の頃にバスケットボールと出会い手、指導者、審判を経験してきました。常にコートの中で情熱を注いできた若杉さんですが、現在はコートの外からTOとして試合を支える存在に。番組では、TOの知られざる仕事と常にバスケットボールに挑戦し続ける若杉さんの人柄に迫ります。
【制作意図】
スポーツをしている多くの人は、年齢による衰えやケガなど身体的な理由から現場を退くことを決断します。また、「本当は好きだし、もっと挑戦したかった」、「第一線で活躍する若手がうらやましい」などの気持ちを抱えながら、引退の道を選んだ人は、スポーツに限らず仕事や学業など様々な分野でいるのではないでしょうか。番組では、バスケットボールの分野で、選手、指導者、審判、そしてテーブルオフィシャルと立場を変えながらも挑戦を続ける若杉さんを取材しました。「挑戦を続けることで輝くことができる」、そんな彼女の生き方はきっと多くの人に勇気と希望を与えることでしょう。
【制作後記】
試合が始まれば誰よりも声を出し、きびきびと仕事をこなす若杉さんですが、試合終了後、「面白い試合内容でしたね!」と話しかけると、「試合の内容は全く覚えていません!」と満面の笑み。さらに、「試合中はTOに精一杯で余裕がないんです」と続けます。予想外の返答に思わず驚いてしましました。プレーするだけがバスケットボールではない。立場を変えながらも挑戦を続け、100%夢中になれる瞬間こそ一番輝きを発揮するのではないかと今回の制作を通して感じました。
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