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2019年8月16日 (金)

古町芸妓~心が照らす花街・新潟~

2019年8月12日~2019年8月18日放送 
新潟放送 情報センターラジオ放送部 片桐静香

【番組概要】
新潟市一の繁華街「古町」には、江戸時代から受け継がれてきた「古町芸妓」がいる。京都・祇園、東京・新橋に並ぶ日本三大芸妓だ。今年開港150年を迎えた港町 新潟をその華やかなおもてなしで支えてきた。港町ならではの親しみやすさもあり、一見さんにとても寛容である。彼女たちに魅了され、再び新潟の地を踏んだ人がどれだけいただろうか。存続の危機もあったが、地元企業により「柳都振興」という法人が設立され、古町芸妓の多くが、そこに属している。彼女たちは日本舞踊や三味線、笛や太鼓に長唄、お茶など日々厳しい稽古に励んでいる。稽古をつける側の先輩芸妓も教わる側の芸妓たちも常に真剣だ。それは芸妓文化をつないでいくことがどれだけ大切なのか、彼女たち自身が一番
身に染みて感じているからである。この取材では稽古の音と共に古町芸妓の魅力に迫る。

【制作意図】
京都・祇園や東京・新橋に並ぶ花街が新潟にあることを、もっと多くの人が知っていてもらいたい。そんな想いから取材を始めた。私は宴席で古町芸妓と初めて会話をしたとき、いつか絶対に取材をしようと決めていた。古町芸妓になる道を選んだ彼女たち、200年以上受け継がれてきた文化の当事者となったことで何を感じ何を考えているのか…そこを知ることが私の伝える仕事の始まりだと思う。短い時間ですべてを伝えるのは難しい、だから知りたいと思うキッカケを録音風物誌で表現したかった。

【制作後記】
稽古をしているのはかつてお座敷としても使われていた待合い茶屋。引き戸を開け一歩足を踏み入れると別世界に来たようだった。取材をさせてもらったのは古町芸妓の和香さんと結衣さん。彼女たちはまだ20代だが、稽古に打ち込む姿は同年代の人たちよりもはるかに大人に見えた。稽古をつけてくれていた先輩芸妓の延子さんを見つめる目は真剣そのもの。短い時間の中で少しでも多くのこのを学ぼうと前のめりに取り組んでいる。稽古の後に話してみるとコロコロと笑う二人の笑顔が印象的だった。
「芸妓の仕事は1人では成り立たない仕事」という和香さんの言葉に、私はラジオとの共通点を見つけた気がした。それと同時にこの二人がいるならば古町芸妓は途絶えることもないと思った。この取材で終わりではなく、これからもずっと古町芸妓の姿を追い続けていきたい。

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半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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