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2014年10月 3日 (金)

カッパと孫助さんの約束

2014年9月29日~2014年10月5日放送
青森放送  ラジオ編成制作部 山本鷹賀春

※2014年度録音風物誌番組コンクール入賞作品
優秀賞受賞 再放送です。

【番組概要】

青森県八戸(はちのへ)市を流れる新井田(にいだ)川にはメドツが棲むといわれています。メドツとは、カッパのことです。何百年も昔、そのカッパと、地元の庄屋の孫助さんがある約束をしました。それは、地域の子どもたちを水難事故から守るため、孫助家ではある物を一切食べないという取り決めです。しかも子孫代々にまで守らせるという厳しい条件でした。孫助さんの家は代々「孫助」を襲名しています。そして、現在の孫助さんも、その約束を厳格に守り続けています。その後、新井田川は護岸工事が行われました。川は子どもたちにとって、さらに危険な場所となり、そして、孫助さんの家も今、立ち退きを迫られています。

【制作意図】
「どんな約束でも、約束は約束。守るべきもの。たとえ相手がカッパでも守るべきもの。」孫助さんの言葉です。何百年も続く旧家の家訓のように聞こえます。新井田川は、昔と姿を変え、周辺は都市化が進んでいますが、それでも約束を守り続ける人間の姿をカッパの視点で制作しました。何百年も前の庄屋さんと孫助さんに共通する、地域への想いを伝えたいと思います。

【制作後記】
この番組は、生中継で収録された音を録音構成にしたものです。カッパの声とナレーションを担当している十日市秀悦が以前「子どもの頃メドツを見たことがある」と発言したことから始まった番組でした。事前取材中、カッパ伝説の起源の一つが八戸であること、メドツとは水の神「ミヅチ」から来ていることなど、次々と明らかになりました。しかしそれ以上に、孫助さんの存在は、私たちにとって大きな衝撃でした。そして八戸の「糠塚きゅうり」(昔きゅうり)の味も忘れられないものでした。

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半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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