葡萄棚に響くハサミの音
2012年9月3日~9月9日放送
山梨放送 放送本部 ラジオ制作部 山田有子
日本有数の葡萄の産地、山梨県甲府市。
夏八木盛男さんは30年以上、奥様と二人三脚で葡萄作りをしています。甘く形のよい葡萄作りにハサミは欠かすことのできない重要な道具。摘粒用のハサミ、収穫用のハサミ、剪定用のハサミなど、作業ごと、季節ごとに使い分けられ、すべて手で扱われます。
ひとつの音は小さくとも、あちらこちらの畑から集まるハサミの音は、まるで連唱しているよう。リズミカルで耳に心地よく響く、まさに農家が生み出す「山梨の音」です。
しかし、後継者不足による畑の減少とともに、この音が聞こえなくなってきたのも現実です。放送に入れることはできませんでしたが、夏八木さんにも後継者はいません。美味しい葡萄は、農家の苦労の賜物、そして残したい故郷の音であることを伝えられたらと思います。
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