山間(やまあい)の暮らしを潤す水の流れ
山陰放送 ラジオ総局 放送制作部 桑本 充悦
鳥取県東部にある山間の町、若桜町(わかさちょう)に今も残る水路を訪ねました。
若桜宿は、かつて因幡と播磨とを結ぶ宿場町として栄えました。
昔の道幅を残す通りの両脇には水路が流れています。
八東川(はっとうがわ)から取り込んだその流れは、夏に涼を運び、
雪深い冬には雪かきの雪を流してくれる大切な存在。
そして通りに面した家々は水路からうちへと水を引き込み、生活に欠かせないものとして使ってきました。
でも、水道も整備され、そうした家もめっきり減ってきています。
そうした中、君野えつさんのお宅では今でもうちに水を引き込んで使っています。
81歳の君野さんはこの地に嫁いで60年。水路とどう関わってきたのか、君野さんのお話を交えながらお伝えします。
水は本当にいろんな表情を見せるんですね。
そして、番組の中では使いませんでしたが、君野さんは水路のこと以外にも実にさまざまなお話をしてくださいました。あらためて人の声を残すことの大切さを感じます。取材を終えて帰るとき、姿が見えなくなるまで見送ってくれた君野さんの姿が忘れられません。