甦った和ろうそくの灯~田布施ハゼの実ロウ復活物語
山口放送 ラジオ編制 村田 俊子
山口県の南東部、態毛郡田布施町に樹齢250年といわれるハゼの木が一本残っています。毛利藩が経済政策として米・塩・和紙・ロウの生産を奨励した“防長四白政策”の生き証人といわれるハゼの木です。
そして、ハゼの実ロウ復活のきっかけになった木であり、今では「ハゼの実ロウ復活委員会」の活動を見守るシンボルツリーでもあります。
この木の歴史を伝え、会結成のきっかけになった田川一郎さんの父上はすでに亡くなりましたが、田川さんの生家、亡きお父さんの家が会の作業場となっています。
庭や納屋、家の中で行われる様々な手仕事、力仕事の音を、亡き主は嬉しく聞いていることでしょう。
“エコ”と言わず、“癒し”と表現せず、昔の人の仕事を懐かしみ、地域の人々とのふれあいを楽しみ、村の歴史を伝えて行く、“ハゼの実ロウ復活委員会”は、そのような暖かい活動を続けていました。