よみがえった農村舞台
四国放送 ラジオ編成制作部 新井 明美
農村舞台とは、神社の境内に建てられ、歌舞伎や人形浄瑠璃用の舞台で、農家の人たちの楽しみでした。
昭和42年から調査研究が全国で実施された時、全国の96%にあたる208棟の人形浄瑠璃舞台が徳島にありましたが、その多くは朽ち果てようとしていました。
犬飼農村舞台も例外ではなく、休止状態でしたが、五王愛博さん、はじめ地元の人たちの熱意により、保存会を設立し、復活上演しました。
それ以来、毎年、五王神社の祭礼行事として公演しています。今回も前日の11月2日から取材にうかがいましたが、多くの人たちが準備に追われ熱気にあふれていました。
鎮守の森にひっそりと建っている舞台も当日は800人ぐらいに人たちで境内は埋め尽くされていました。外国人の方もチラホラ。
演目の中に必ず入っている傾城阿波の鳴門、順礼歌の段では目頭をおさえている方が何人か見受けられました。
農村舞台は徳島が全国に誇る文化財。数年前から見直され、なくしてはいけないと、2003年には「阿波農村舞台の会」が設立されました。
ほかにもいくつかの農村舞台が発見され、今は7ヶ所で公演されるようになりました。なくしてはいけない郷土の財産と思い取り上げました。