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2006年5月 1日 (月)

よみがえった農村舞台

四国放送 ラジオ編成制作部 新井 明美

農村舞台とは、神社の境内に建てられ、歌舞伎や人形浄瑠璃用の舞台で、農家の人たちの楽しみでした。

昭和42年から調査研究が全国で実施された時、全国の96%にあたる208棟の人形浄瑠璃舞台が徳島にありましたが、その多くは朽ち果てようとしていました。

犬飼農村舞台も例外ではなく、休止状態でしたが、五王愛博さん、はじめ地元の人たちの熱意により、保存会を設立し、復活上演しました。

それ以来、毎年、五王神社の祭礼行事として公演しています。今回も前日の11月2日から取材にうかがいましたが、多くの人たちが準備に追われ熱気にあふれていました。

鎮守の森にひっそりと建っている舞台も当日は800人ぐらいに人たちで境内は埋め尽くされていました。外国人の方もチラホラ。

演目の中に必ず入っている傾城阿波の鳴門、順礼歌の段では目頭をおさえている方が何人か見受けられました。

農村舞台は徳島が全国に誇る文化財。数年前から見直され、なくしてはいけないと、2003年には「阿波農村舞台の会」が設立されました。

ほかにもいくつかの農村舞台が発見され、今は7ヶ所で公演されるようになりました。なくしてはいけない郷土の財産と思い取り上げました。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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