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2025年12月24日 (水)

盲目のボランティア 歌という希望の光

2025年12月29日~2026年1月4日
宮崎放送 ラジオ部 黒木優花

【番組概要】
宮崎県都城市にお住まいの小玉正紹さん。現在87歳。高齢者施設を回り、歌のボランティア活動を続けています。68歳のときに視力を失いましたが、そこで出会ったのが「歌」でした。今では自ら作詞作曲も手がけています。小玉さんにとって歌とは何なのか、そしてボランティア活動に込める思いをお聞きしました。また小玉さんは、満州での戦争体験者でもあります。終戦直後、弟と妹を栄養失調で亡くしました。その時の体験を歌にし、後世に語り、歌い継いでいます。

【制作意図】
戦後80年という節目の年に、小玉正紹さんの歌と向き合えたことには大きな意味があると感じました。視力を失いながらも、歌と出会い、人生を前向きに歩み続ける小玉さん。その背景には、満州での戦争体験や、終戦直後に弟と妹を亡くした深い悲しみがあります。
小玉さんは、その記憶を決して過去のものとして閉じ込めるのではなく、歌に託し、人から人へと手渡すように歌い続けています。高齢者施設で響く歌声は、慰めであり、証言であり、未来へのメッセージでもありました。戦争を直接知る世代が少なくなる今、この番組が、記憶を語り継ぐことの大切さや、平和について考えるきっかけになればと願っています。

【制作後記】
取材を通して強く感じたのは、小玉正紹さんにとって「歌」は表現手段であると同時に、生きる支えそのものだということでした。視力を失い、想像を絶する戦争体験を抱えながらも、そのすべてを歌に込め、誰かのために歌い続ける姿は力強いものでした。
高齢者施設で歌うとき、小玉さんは決して特別なことをしようとしません。ただ、目の前の人に寄り添い、心を込めて歌う。その歌声が、聴く人の記憶を呼び起こし、心を温めているように感じました。
この番組が、歌の持つ力や、語り継ぐことの大切さを改めて考えるきっかけになれば幸いです。

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半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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